【特殊報】カンキツ、カキ、イチジクにチュウゴクアミガサハゴロモ 県内で初めて確認 福岡県2024年12月2日
福岡県病害虫防除所は、カンキツ、カキ、イチジクにチュウゴクアミガサハゴロモを県内で初めて確認。これを受けて、11月27日に令和6年度病害虫発生予察特殊注意報第2号を発表した。

左から、写真1:カキの葉上の本虫 写真2:カンキツ枝上の本虫 写真3:前翅の縁に白斑がある
(提供:福岡県病害虫防除所)
福岡県病害虫防除所によると、6月に福岡県内のカキ産地において、地域一帯のカキ園で黒褐色から鉄さび色のハゴロモ類が大量発生した。(写真1)。その後カンキツ園(写真2)やイチジク園、街路樹のヤナギにも発生が確認され、一部ではその排泄物にカビが生えるすす病が確認。採取された成虫を農林水産省門司植物防疫所に持ち込み同定を依頼した結果、チュウゴクアミガサハゴロモと同定された。
チュウゴクアミガサハゴロモの原産地は中国だが、韓国で2012年、トルコで2019年、フランスで2020年、ドイツで2021年、イタリアで2022年に確認の報告があり、拡大傾向にある。
国内では2017年に大阪で初めて確認されたが、その後、神奈川、千葉、東京、岡山及び徳島で発生が確認された。作物への被害については、2024年に神奈川と埼玉の防除所から特殊報が
発出されている。

写真4:カンキツ枝上の卵塊と写真5:枝に産み付けられた卵(提供:福岡県病害虫防除所)
成虫の体長は14~15mm、前翅長14mm程度。黒褐色から鉄さび色の前翅の前縁の中央部に、扁平で半円形の白斑がある(写真3)。卵塊は、他のハゴロモ科の虫と同様に白いワックス状の物質で覆われ、樹木などの枝に産み付けられる(写真4)。観察では直径10mm以下の細い枝に産み付ける傾向にある。
主な生態は不明だが、集団で吸汁加害することが多く、極めて広食性で宿主として報告のあるものはカバノキ科、クワ科、ブナ科、マメ科、モクセイ科、ツバキ科、バラ科、ツツジ科、モチノキ科、ニシキギ科、ヒノキ科、フトモモ科など多くの木本性植物があり、またキク科の草本類にも寄生し産卵が観察されるとの報告がある。
集団で樹木の枝を吸汁し、その排泄物にカビが生えすす病を誘発する。また成虫は樹皮を剥いで産卵する(写真5)ため樹が損傷し、細枝が枯れることもある。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇同虫に対して登録のある薬剤はないが、無防除の園では秋まで発生が継続しているものの、慣行の防除が行われるカキの栽培園では姿が見えなくなっている。産卵された枝の除去に努め
るなど、個体数を減らす耕種的防除を行う。
重要な記事
最新の記事
-
令和7年秋の叙勲 西沢耕一元JA石川県中央会会長ら93人が受章(農協関係)2025年11月3日 -
シンとんぼ(166)食料・農業・農村基本計画(8)農業の技術進歩が鈍化2025年11月1日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(83)テトラゾリルオキシム【防除学習帖】第322回2025年11月1日 -
農薬の正しい使い方(56)細菌病の防除タイミング【今さら聞けない営農情報】第322回2025年11月1日 -
酪農危機の打破に挑む 酪農家存続なくして酪農協なし 【広島県酪農協レポート・1】2025年10月31日 -
国産飼料でコスト削減 TMRと耕畜連携で 【広島県酪農協レポート・2】2025年10月31日 -
【北海道酪肉近大詰め】440万トンも基盤維持に課題、道東で相次ぐ工場増設2025年10月31日 -
米の1等比率は77.0% 9月30日現在2025年10月31日 -
2025肥料年度春肥 高度化成は4.3%値上げ2025年10月31日 -
クマ対策で機動隊派遣 自治体への財政支援など政府に申し入れ 自民PT2025年10月31日 -
(459)断食:修行から管理とビジネスへ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月31日 -
石川佳純が国産食材使用の手作り弁当を披露 ランチ会で全農職員と交流2025年10月31日 -
秋の果実王 旬の柿を堪能 福岡県産「太秋・富有柿フェア」開催 JA全農2025年10月31日 -
「和歌山県産みかんフェア」全農直営飲食店舗で開催 JA全農2025年10月31日 -
カゴメ、旭化成とコラボ「秋はスープで野菜をとろう!Xキャンペーン」実施 JA全農2025年10月31日 -
食べて知って東北応援「東北六県絆米セット」プレゼント JAタウン2025年10月31日 -
11月28、29日に農機フェアを開催 実演・特価品販売コーナーを新設 JAグループ岡山2025年10月31日 -
組合員・利用者に安心と満足の提供を 共済事務インストラクター全国交流集会を開催 JA共済連2025年10月31日 -
JA全農と共同開発 オリジナル製菓・製パン用米粉「笑みたわわ」新発売 富澤商店2025年10月31日 -
【スマート農業の風】(20)GAP管理や農家の出荷管理も絡めて活用2025年10月31日


































