みどり戦略時代必携の書『みんなの有機農業技術大事典』3月10日発売 農文協2024年12月11日
農山漁村文化協会(農文協)は2025年3月10日、『みんなの有機農業技術大事典』を発刊する。同書は、天敵を呼ぶ植物を植えて害虫を防ぐ、米ヌカや納豆で微生物を殖やして病気を防ぐなど、化学肥料や農薬を減らそうと農家や研究者が試行錯誤して長年蓄積してきた有機農業の技術の集大成。農業雑誌『月刊 現代農業』で農家とともに100年歩んできた農文協が、満を持して発売する。
『みんなの有機農業技術大事典』共通技術編 カラー口絵より
同書は「共通技術編」と「作物別編」の2巻構成で計2244ページ。執筆陣は第一線の農家や研究者ら約300人で、約150人の農家が登場する。
「共通技術編」では、有機農業の歴史や世界での広がり、地球温暖化防止や生物多様性維持に果たす役割のほか、緑肥や天敵利用、不耕起など作目を横断する栽培技術を、農家事例を交えて紹介。モミガラや米ヌカなどの有機資材、納豆や米ヌカを利用した防除技術も解説する。
作物別編「農家の米ヌカ除草法」のページより
「作物別編」では、水田や畑作物、野菜や花、果樹や茶、畜産の技術を品目ごとに網羅。有機農家の経営事例や品目別のつくりこなし、課題克服の工夫も読める。雑草や病害虫対策も充実しており、農林水産省が発表しているみどり戦略の「技術カタログ」にも多数対応した。
また、12月19日には、刊行を記念した公開セミナーを予定。執筆者陣から、研究者を代表して秋田県立大学名誉教授の谷口吉光さん(日本有機農業学会前会長)、農家を代表して茨城県石岡市の魚住道郎さん(日本有機農業研究会理事長)を招き、「今なぜ、みんなの有機農業技術なのか」というテーマで話を聞く。
また、2025年1月からは連続講座(有料)も企画。「耕さない農業」をテーマに、執筆者がそれぞれの専門分野について詳しく解説し、有機農業をより深く学ぶ機会を提供する。
◎『みんなの有機農業技術大事典』内容
<共通技術編>
第1部:有機農業とは何か
有機農業の歴史と概念/世界の有機農業
第2部:有機農業と炭素貯留、生物多様性
炭素循環・炭素貯留・地球温暖化防止/チッソ固定・自然養分供給システム/アミノ酸吸収と収穫物の品質/有機農業と生物多様性
第3部:有機農業の共通技術
不耕起栽培・半不耕起栽培/緑肥・カバークロップ/混植・混作/天敵活用/輪作/有機物マルチ/太陽熱処理・土壌還元消毒/土ごと発酵/土壌診断・微生物診断と減肥/自家採種と育種、品種選び
第4部:農家の有機資材
モミガラ/モミガラくん炭/米ヌカ/ワラ・カヤ/竹パウダー・竹チップ/落ち葉/廃菌床/堆肥/ボカシ肥/土着菌(土着微生物)/木酢液/えひめAI/光合成細菌/タンニン鉄
第5部:無農薬・減農薬の技術
納豆防除/米ヌカ防除/石灰防除/酢防除・酢除草/高温処理・ヒートショック/病害抵抗性誘導/月のリズムに合わせて栽培/RACコード
第6部:話題の有機栽培
付録 天敵等に対する農薬(殺菌剤・殺虫剤・殺ダニ剤)の影響の目安/有機農業の推進に関する法律/JAS法(日本農林規格等に関する法律)/有機JASで使える農薬一覧
<作物別編>
■水稲
農家の技術と経営事例/播種と育苗/有機物施用と減肥/除草剤を使わないイネつくり/除草機の工夫/斑点米カメムシなどの対策 畑作・転作作物
ダイズ・ムギ・子実トウモロコシ・ソバ・雑穀
■野菜・花
農家の技術と経営事例/品目別技術 (ナス、トマト、ピーマン、キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイートコーン、オクラ、エダマメ、インゲン、ソラマメ、エンドウ、ネギ、タマネギ、ニンニク、キャベツ、ブロッコリー、ハクサイ、ナバナ、ホウレンソウ、コマツナ、葉物(春の菜っぱ、夏の菜っぱ)、レタス類、ダイコン、カブ、ニンジン、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、ショウガ、花卉)
■果樹
農家の技術と経営事例/草生栽培/天敵を利用した防除技術
■茶
農家の技術と経営事例/農薬以外の防除技術
■畜産
平飼い養鶏/放牧養豚/放牧酪農
■終章 有機農業は普通の農業だ―農業論としての有機農業
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