抹茶・粉末茶に適した新品種「せいめい」育成と増産態勢確立 開発成果を公表 生研支援センター2025年3月12日
農研機構果樹茶業研究部門を代表機関とする研究グループは、抹茶・粉末茶に適した新品種「せいめい」を育成するとともに、取り扱いの容易なセル苗の増産態勢を確立。全国の129.6haで栽培されるまでに普及が進んでいる。農林水産業や食品産業における新産業の創出や技術革新を目指す研究に資金を提供する生研支援センターは、この研究成果を紹介している。
「せいめい」の直がけ被覆栽培(提供:農研機構果樹茶業研究部門)
国内では1世帯当たりの緑茶(リーフ茶等)購入数量は、2008年と比較して約3割減っている。一方、米国やEU(欧州連合)等では、日本食ブームの影響や健康志向の高まりにより、ラテ飲料やスイーツの原料となる抹茶など粉末状の緑茶や、有機栽培茶の需要が増えており、欧米向け輸出が拡大。農水省の発表によると、2024年の緑茶の輸出額は約364億円となり、2014年の約78億円から約4.7倍に増えている。
「せいめい」の樹姿(3年生、定規の長さは1m)
研究グループは、こうしたニーズの変化に対応するため、抹茶・粉末茶への適性が高く、色・香味に優れ、病害にも強い新品種「せいめい」を育成するとともに、取り扱いが容易で機械での植え付けも可能なセル苗による増産態勢を確立した。現在の主要品種である「やぶきた」の後継品種の一つとしても有望視されている。
2023年度における「せいめい」の栽培面積は全国で129.6ha、主産地の鹿児島県では2024年度中に100haに達する見込み。「せいめい」は、農研機構が育成した茶品種で初めて外国で品種登録出願し、海外輸出に向けた取り組みを進めている。
「やぶきた」「せいめい」の粉末茶と抹茶風に点てた際の泡色
農研機構は「日本茶海外輸出に資する緑茶用新品種「せいめい」栽培・加工技術標準作業手順書」を公開し、品種と技術の普及に取り組んでいる。新品種「せいめい」は茶農家の収益向上、輸出の拡大に貢献。21世紀の日本茶業を支える品種の一つとして期待されている。
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