農福連携の取り組みを広げる 事例紹介動画も公開 福岡市2025年4月10日
福岡県福岡市は農福連携の取り組みを広げており、支援策として福祉事業所職員向けの農業研修や農福連携アドバイザーの派遣などに取り組んでいる。4月9日には同市の農福連携の事例を紹介するユーチューブ動画も公開した。
農福連携の出荷作業風景
関係者インタビューや作業風景を紹介
公開された事例紹介の動画は2本。「三者の取組み編」では、福岡市とのサポートを受けた馬場ファーム、取り組みに賛同して連携で生産された「カリーノケール」を取り扱う飲食店のインタビューを交えて連携を紹介している。馬場ファームは除草作業や野菜の袋詰め、納品先への配送等を障がい福祉事業所に委託し、障がいのある方が作業に携わっており、作業の様子も紹介している。
「農業者と福祉の取組み編」では、JA福岡市元岡トマト選果場利用組合が就労継続支援B型事業所と連携して、障がいのある人がトマト出荷用の箱折り作業を行っている様子などが紹介されている。市は「作業マニュアル作成」「福祉事業所の募集・選定」「作業請負契約支援」をサポートし、JA福岡市からは「パートの方が箱折り作業を行っていた時間が削減され、他の作業(選果、箱詰め作業等)を行う時間が増えた。連携して良かった」との感想が出されている。
動画以外の事例
動画以外にも農福連携の事例を紹介している。早良区入部の樋口農園では市のサポートを受け、近隣の就労継続支援B型事業所と連携して、障がいのある人が枝豆の出荷調製作業を行った。同農園からは「洗浄・選別作業はとても丁寧に作業してくれ、非常に助かった。最も手間のかかる出荷調製作業を担ってもらうことで、更なる経営拡大ができる」との感想があった。
西区内浜にある就労継続支援A型・B型事業所「こころ」では、障がいのある人がネギ畑の除草、収穫、出荷調製等の農作業に取り組んでおり、さらなる就労場所の確保のため、早良区羽根戸の耕作放棄地を再生・活用し、経営面積を拡大している。市からは耕作放棄地の再生にかかる費用や営農資材の購入費を助成した。
福祉施設職員研修や専門家派遣も
福岡市は福祉事業所職員向けの農業研修で、4月9日まで今年度の受講生を募集した。農地を確保して農業を行いたい、または農業分野で施設外就労を行いたい意向がある福祉事業所などの職員を対象に、基本的な知識・技術を習得する支援として、農業基礎研修(アグリチャレンジ)を実施している。研修期間は5月から翌年3月の間に30回程度実施。受講料は事業所からの派遣や研修などの場合は無料だ。
また、農福連携に取り組む農業者への支援として、専門家を「農福連携アドバイザー」として派遣している。また、農作業を福祉事業所に要請する際、スムーズに連携できるように、農作業のマニュアル作成や福祉事業所の募集・選定、作業請負契約締結時の支援なども行っている。
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