「オートファジー」が植物の接木に関与 明治大学など研究グループが発見2025年4月22日
明治大学農学部生命科学科、京都大学大学院理学研究科、名古屋大学生物機能開発利用研究センター、東京大学大学院農学研究科、理化学研究所環境資源科学研究センターなどの研究グループは、植物に接木を実施したときに生じる傷の修復過程にオートファジーが関与していることを発見した。
図1:植物のオートファジー経路の概略
オートファジーは真核生物に見られる細胞の分解機構の一つ。オートファジーでは細胞内の小器官やタンパク質などの成分を細胞内の分解コンパートメントに輸送して分解され、これによって分解された物質は新たな細胞成分の構成に再利用されると考えられている(図1)。しかし、植物におけるオートファジーの働きについては、まだ未解明な点も多く残されている。
一方、植物の接木は二つ以上の植物個体を人為的操作によってつなぎあわせて育成する、有史以前より利用されてきた農業技術。その成立には個体間の自他認識、傷口からの病原体等の侵入抑制、組織の脱分化、カルス形成、細胞間の癒合、通道組織の再構成など、多数の生理応答が関わっていると考えられるが、まだまだ不明な点が多く残されている。
今回、傷口の修復過程において、特に切断面の上側の細胞群がオートファジーによる自食作用で分解を受けることが新たなカルスの形成を促し、接木の成立に寄与することを示した。これにより接木や、植物の傷修復時に起こる生理現象の一端が解明され、植物の傷害応答についての理解や、接木の農業利用のさらなる応用につながることが期待される。
同研究成果は4月12日、国際学術誌『Nature Communications』にオンライン掲載された。
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