緑茶用品種「せいめい」全ゲノム配列を解読 多型情報解析を可能に 農研機構2025年4月23日
農研機構は、育成した緑茶用品種「せいめい」を今後の緑茶用品種の基準品種とするため、その全ゲノム配列を解読した。世界で初めて日本の緑茶用品種の全ゲノム配列や遺伝子情報を明らかにした成果で今後は、茶の品質や病害虫抵抗性といった重要な特性に関わる遺伝子の同定に取り組む。また、優良個体の選抜を効率化するためのDNAマーカーの開発にもゲノム情報を活用し、今後のさらなる新品種の育成を加速化する。
「せいめい」抹茶
日本の「緑茶」は、世界的にも高く評価される一方、生産現場では気候変動や病害虫による被害、労働力不足などの課題に直面しており、高品質で収量性に優れた新たな品種の開発が急務となっている。効率的に品種改良を進める技術として、ゲノム情報を活用した「ゲノム育種」が注目されているが、日本の緑茶品種ではゲノム情報が不足していたため、十分に実用化されていない。
緑茶用品種「せいめい」の新芽
農研機構は、緑茶用品種「せいめい」の全ゲノム配列(約31億塩基対)を明らかにした。「せいめい」は、煎茶としてはもちろん、抹茶や粉末茶としても優れた製茶品質を持ち、今後の品種改良における基準として最適な特性を持つ。「せいめい」の全ゲノム配列を解読したことで、茶の品質や収量、病害虫抵抗性などに関わる遺伝子を特定し、品種改良の効率化を目指すことができる。
さらに、国内外の23品種・系統のゲノム解析を行い、これらのゲノムデータを「せいめい」の参照ゲノム配列と比較することで、品種間の塩基配列の違い(多型情報)を把握。多型情報を取得し、今後のゲノム育種に利用可能な情報基盤を整備した。取得された多型情報は、農研機構が開発したゲノムブラウザTASUKE+)で公開している。
これらの情報を利用することで、DNAマーカー等のゲノム情報を活用した、より短期間で目標とする特性を持つ品種を効率よく開発できるゲノム育種を加速化し、茶の風味や香り、収量性の向上、病害虫への抵抗性の強化などが大きく前進する。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(146)-改正食料・農業・農村基本法(32)-2025年6月14日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(63)【防除学習帖】第302回2025年6月14日
-
農薬の正しい使い方(36)【今さら聞けない営農情報】第302回2025年6月14日
-
群馬県の嬬恋村との国際交流(姉妹)都市ポンペイ市【イタリア通信】2025年6月14日
-
【特殊報】水稲に特定外来生物のナガエツルノゲイトウ 尾張地域のほ場で確認 愛知県2025年6月13日
-
【注意報】りんごに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 岩手県2025年6月13日
-
SBS輸入 3万t 6月27日に前倒し入札2025年6月13日
-
米の転売 備蓄米以外もすべて規制 小泉農相 23日から2025年6月13日
-
46都道府県で販売 随意契約の備蓄米2025年6月13日
-
価格釣り上げや売り惜しみ、一切ない 木徳神糧が声明 小泉農相「利益500%」発言や米流通めぐる議論受け2025年6月13日
-
担い手への農地集積 61.5% 1.1ポイント増2025年6月13日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】生産者米価2万円との差額補填制度を急ぐべき2025年6月13日
-
井関農機 国内草刈り機市場を本格拡大、電動化も推進 農機は「密播」仕様追加の乗用田植え機「RPQ5」投入2025年6月13日
-
【JA人事】JA高岡(富山県)松田博成組合長を新任(5月24日)2025年6月13日
-
【JA人事】JAけねべつ(北海道)北村篤組合長を再任(6月1日)2025年6月13日
-
(439)国家と個人の『食』の決定権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月13日
-
「麦とろの日」でプレゼント 東京のららぽーと豊洲でイベントも実施 JA全農あおもり2025年6月13日
-
大学でサツイマイモ 創生大学と畑プロジェクト始動 JA全農福島2025年6月13日
-
JA農機の成約でプレゼントキャペーン JA全農長野2025年6月13日
-
第1回JA生活指導員研修会を開催 JA熊本中央会2025年6月13日