シンガポールのアグリテック企業「アリアンテック」千葉大学内に事業拠点開設2025年9月17日
シンガポールのアグリテック企業でArianetech Pte. Ltd.(アリアンテック)は、千葉県柏の葉にある千葉大学(NPO植物工場研究会内)に、日本法人の「アリアンテック・ジャパン株式会社」の事業拠点を4月に開設。日本の植物工場・スマート農業市場へ本格参入する。
千葉大学内に開設した事業拠点(R&D拠点およびショールーム)。
各種LED照明がどのような特徴を持っているかを、実際の栽培風景を見学しながら確認できる
この拠点は、アリアンテックの保有する先進農業技術を日本市場にフィットさせる実証型の研究開発を行う機能と日本市場を開拓するために展示するショールームとしての役割。同社の主力製品である高効率LED照明による比較栽培の紹介に続き、今後は自動化機械や環境制御×AI・IoTによるスマート農業ソリューションを実証展示する。
アリアンテックはシンガポールで2001年に設立された電子機器メーカー。2013年から戦略の重点を農業テクノロジーへと移行し、これまで培ってきた高度な技術力を活かして都市型食料生産の在り方を革新してきた。
2015年にパナソニックからシンガポール初の養液培地耕式人工光型植物工場を受注し設備導入。これが同国でのアグリテック分野における確固たる立ち位置を築く大きな契機となり、以降はシンガポール国立大学(NUS)、南洋理工大学(NTU)、シンガポール工科教育学院(ITE)、リパブリック工科大学(RP) 、テマセク系研究機関などと連携し、植物工場や関連分野の先端技術の研究開発を推進している。
同社の主力製品は、植物成長を最適化する独自の高効率LED照明「EZYGRO®」、栽培空間と栽培に使用する資源の効率を最大化する先進的な植物工場栽培システム「SMART-AGRO®」。また、専門技術者でなくても効率的な栽培が可能な独自のモジュール型栽培システムは、工場全体の稼働を止めることなく増設や保守を行える。これらは現在、シンガポールと日本で25以上の工場等で導入され、欧州、インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン、など幅広い国々でも採用されている。
日本では、人工光型植物工場の発展も早くから進められ、品質が安定。清潔で農薬が使われない植物工場産野菜は、日本の消費者からの評価も高く、徐々に需要が増えている。一方で、同社が日本の植物工場事業者と深く交流を重ねる中で、多くの事業者が高額の電気代や過大な人件費といった運営コストの問題に直面し、自立的な経営の維持が困難になっている現状を目の当たりにした。
こうした課題解決に貢献するため、同社は2020年7月に日本法人「アリアンテック・ジャパン株式会社」を設立。その後、千葉大学やNPO植物工場研究会との協議を重ね、組織的な運営体制を構築し、今回の拠点開設に至った。
今後は、日本で研究機関、業界団体、植物工場・スマート農業関連企業との共創により、生産性と持続可能性を両立させた次世代型農業モデルの構築を目指す。
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