塩化カリ安定供給で協力継続 JA全農とカナダ2013年10月7日
カナダ・サスカチュワン州首相、カンポテックス社社長が全農を表敬訪問
カナダのカリ生産の中心地であるサスカチュワン州のブラッド・ウォール州政府首相と、同州にある世界最大の塩化カリ輸出会社であるカンポテックス社のスティーブ・デッカ社長が来日。10月3日、JA全農の中野吉實会長を表敬訪問した。
◆50年以上のパートナーシップ 友好関係を継続
カンポテックス社と全農は、1962年にカリの輸入を始めて以来50年を超える取引がある。現在も年間で約1000万トン、総輸入量の約8割を占める。中野会長は「もっとも信頼ある山元」だと述べ、全農のめざす高品質な農産物の生産のためにも「これからも高品質なカリを安定的に供給してもらいたい」とあいさつした。
ブラッド首相は、「私が8歳の時、カンポテックス社と全農の取引が始まった。今後も世界的な食料需要の増大で、塩化カリの需要は高まるだろうが、これまで築き上げてきたパートナーシップをこれからも続けられるようにしたい」と応えた。
(写真)
会談に出席した代表ら(左から)神出専務、中野会長、ブラッド首相、デッカ社長
◆TPPで意見交換
この日は、このほか、全農からは神出元一専務、上園孝雄肥料農薬部長など、カナダからはアランナ・コッホ同州農相などが出席。会談では、両国が交渉に参加しているTPPの話題が中心となった。
コッホ氏は「TPPが成立すれば、両国の農産物の輸出入の条件は大きく変わるだろう。サスカチュワン州では、すでに日本の醸造会社に依頼されてビール用の大麦を生産しており、今後も日本のニーズに応じた穀物を生産していきたい」と述べたのに対し、神出専務は、「日本の交渉のスタンスは、重要5品目は守るというのが前提。カナダでも、守りたい農畜産物はあると聞いている。(これらの農畜産物の関税撤廃については)ともにNOの立場で協力していきたい。ただし、麦の需要900万トンに対し、現在の自給は90万トンしかなく、自国で生産できないものについては、協調していきたい」と応えた。
そのほか、同州に人が定住を始めた100年前には「(気候が寒いため)農業は難しいと言われたが、イノベーションで技術を高めて生産を可能にした」(ブラッド首相)ことから、双方ともに農業技術の提携などを積極的に行っていきたいとの意見で合意した。
(写真)
デッカ社長から全農へ、サスカチュワン州の美しい風景を描写した絵が寄贈された
(関連記事)
・米砂糖団体「関税撤廃正しくない」 全中と連携(2013.09.04)
・農業の重要性、認識一致 林農相とカナダの農業大臣(2013.03.04)
・秋肥価格を値上げ JA全農(2013.05.31)
・【TPP情勢】 カナダ、メキシコがTPP交渉参加 2013年を新たな妥結目標に(2012.10.19)
・中国の肥料製造会社の株式譲渡で調印式 JA全農(2012.04.25)
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日