秋肥価格 国際市況上昇受け輸入尿素など値上げ JA全農2021年5月31日
JA全農は5月31日、2021(令和3)肥料年度秋肥(6~10月)の単肥価格の決定内容を公表した。肥料原料の国際市況の上昇などを受け、ほとんどの単肥で値上げとなった。
輸入原料に依存していない石灰窒素は据え置きとしたが、その他の窒素質、りん酸質、加里質肥料はいずれも値上げとなった。
肥料原料の国際市況は、穀物相場の上昇で世界的に肥料需要が旺盛となり、昨年末以来、急激に値上がりしている。
とくに尿素とりん安の「値上がりのスピード感は2008年の資源価格高騰時のような特異な動き」(耕種資材部)だといい、08年当時ほどの値上げ幅ではないもの、昨年8月の春肥価格設定時にくらべて尿素で1.5倍、りん安で1.7倍となっている。
加里も好調な需要を背景に山元は値上げを打ち出しており、肥料の価格構成要素の6割を占める肥料原料の国際市況の上昇が秋肥価格に大きく影響、2.7%~24.0%の値上げとなった。
ただ、国産尿素は内外価格差の縮小を求め輸入尿素よりも値上げ幅を圧縮して決定した。
なお、全農は今回、化成肥料など複合肥料の価格についても公表した。りん安の国際市況が急騰しているためで、これを原料に使用した品目はおおむね10%を超える値上げとなる。
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