洋食器のニッコー 捨てられる食器を肥料にリサイクル「BONEARTH」を商品化2022年3月14日
陶磁器メーカーのニッコーは、ボーンチャイナを肥料にリサイクルする技術を確立。農林水産省から肥料として認定され、リン酸肥料「BONEARTH」として4月2日に発売する。同社は、食器が廃棄されることなく循環する世の中を目指し、サーキュラー型のビジネスモデルへの転換を図っており、レストラン、農作物生産者、生活者など食をとりまく循環作りをめざす。
同社が提供するボーンチャイナ製食器(NIKKO FINE BONE CHINA)は、陶磁器の原料である石や粘土に加え、食肉加工され残った牛の骨を溶解再合成したリン酸三カルシウムを約50%含み、その白さと透光性、鉛やカドミウムフリーの安全性から、多くのシェフたちに愛用されている。
そのNIKKO FINE BONE CHINAのリサイクルで生まれた肥料「BONEARTH」(ボナース)は、樹木、草花、野菜などの元肥として使える。高温焼成で作られるため、臭いもなく、長期保存できる安全・清潔なリン酸肥料。植物が自分の力で根から出すクエン酸に触れることでリン酸を溶かし、養分として吸い上げるため、万が一入れすぎたとしても、成長の妨げにならない。また、水に溶けないため、長期間肥料効果が持続。河川流出もしにくく、環境にやさしい。純白で見た目も美しく、園芸用化粧砂としても活用できる。
NIKKOの目指す陶磁器の循環社会・ボーンチャイナそのままに白く美しい肥料「BONEARTH」
同社は、約2年半前から、ボーンチャイナに多く含まれる「リン酸三カルシウム」が肥料の重要な成分であることに着目し研究開発に着手したが、当時の肥料取締法では産業廃棄物とみなされていた。その後、始まった石川県立大学との共同研究で、肥料効果の検証に取り組み、肥効を実証。県や農林水産消費安全技術センター、農林水産省と相談を重ねる中、「肥料の品質の確保等に関する法律」が2021年12月1日に施行され、ボーンチャイナの肥料の実現に繋がった。
現在、国内で使われているリンは、ほぼ中国からの輸入に頼っており、輸入価格の高騰により肥料価格は大幅に上昇。これまで欠けや割れで産業廃棄物として廃棄せざるを得なかった食器をリン酸肥料として活用し、国内で循環させることで、サステナブルな食料生産にも繋がる。
同社は、食器由来の肥料を生産者に還元し、肥料を使って育てた作物がレストランに届き、再びニッコーの食器の上に盛られた料理が生活者に提供される、という循環をめざしている。
「BONEARTH」は、800gで1320円、300gで715円。ニッコー公式オンラインショップと店舗の「LOST AND FOUND TOKYO STORE」で販売。いずれも価格は税込。
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