特殊冷凍技術でフードロス解決へ「JAアクセラレーター第4期」に採択 デイブレイク2022年5月31日
特殊冷凍事業を展開するデイブレイク株式会社は、JAグループが公募したオープンイノベーションプログラム「JAアクセラレーター第4期」に採択。5月24日に開かれた最終選考会で、「特殊冷凍技術を活用したフードロス削減プロジェクト」を発表し、優秀賞を受賞した。
アートロックフリーザーと緩慢冷凍の比較
生鮮食品のサプライチェーンで、正規品以外の規格外品や豊作で穫れ過ぎるなど流通できない食材は、加工用になるか、廃棄される場合も多い。同社は、チルド流通できない食材を特殊冷凍することで、高鮮度・無添加・ロングライフなどの付加価値を付けた高品質な冷凍食材を流通させ、食品ロス削減に貢献。また、生産者へ利益を還元し、消費者にも無添加で安心安全な食材を提供するという生産者・物流・実需者(店舗)・消費者の「四方良し」の実現に取り組んでいる。
特殊冷凍は、急速冷凍に凍結媒体ごとの特殊な技術を踏襲することで、さらに高品質な冷凍を実現する技術。一般的な冷凍の場合、細胞内の水分が氷に変わる温度帯の通過時に、氷結晶が大きく歪になることで細胞が損傷する。一方、急速冷凍は急速かつ均一に冷却することで氷結晶が小さく生成され、細胞の損傷を極少化でき、うまみ成分の流出を防ぐ。さらに、特殊冷凍では冷風の湿度や冷風の当て方などの特殊技術が加わり、形状維持や調理済みのあたたかい食品の急速冷凍を実現。これまで困難だった食材の急速冷凍を可能にし、従来を上回る高品質な冷凍食材を生み出す。
JAアクセラレーターは、JAグループが運営するオープンイノベーションプログラム。2019年から2021年の3期を通じて計24企業を採択し、JAグループやJAグループ各団体の取引先等と連携した製品やサービスの実証実験、農業関連メディアを通じたビジネスの宣伝など、JAグループのアセットを活用したプログラムを実施してきた。
第4回は、「食と農、くらしの未来を共創する」をテーマに、「食・農・金融・くらし・地方創生・SDGs」に関わる社会課題の解決に取り組む起業家や事業家を募集したところ、179社の応募があり、最終選考を経て、9社が優秀賞に選ばれた。各スタートアップ企業は今後約5か月間のプログラム期間中に、JAグループ職員による伴走を受けながら、JAグループのアセットやAgVenture Labの施設などを活用して実証実験を行い、ビジネスプランをブラッシュアップしていく。また、プログラム期間中の実証実験の実施にあたって、最大100万円の実証実験費用補助も実施され、スタートアップ企業の成長の加速をサポートされる。
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