産業用ドローン世界市場 2023年は1兆4124億円に成長予測 矢野経済研究所2024年4月19日
矢野経済研究所は4月18日、ドローン世界市場を調査し、製品別や参入企業各社の動向、将来展望などを明らかにした。ここでは、産業用ドローン世界市場予測を発表。2023年の産業用ドローン世界市場は1兆4124億円の成長を予測した。

市場概況
ドローンは、人が搭乗できない航空機の内、遠隔操作や自動(自律)操縦で飛行が可能な無人航空機。海外ではUAV(Unmanned Aerial Vehicle)や、UAVとこれをコントロールするGCS(Ground Control Station:地上操縦装置)を合わせたUAS(Unmanned Aircraft System:無人航空システム)などと呼ばれている。
2000年代前後から中国や欧州、米国などでドローンのベンチャー企業が設立され、現在は高性能・高価格の機体が世界中で提供。日本でも同時期からドローンメーカーが誕生している。
同調査では、2024年の産業用ドローン世界市場(メーカー販売金額ベース)を3186億9400万円と予測。ドローンは、多くの産業用途で事業が定着しており、市場拡大に向けて展開されている。
災害分野では多数のオファーが発生
ドローンは、農林水産業や点検・測量、警備・監視などの産業用途で既に広く利用されている。日本国内での今後の成長分野の一つとして、災害対応での活用拡大が想定されている。
総務省消防庁によると、2022年4月現在、全国の消防本部の約6割でドローンが導入されている。2022年度から、災害対応ドローン整備のための機体等の調達経費を新たに緊急防災・減災事業債の対象とすることが決まった。また、2023年度にも地方財政計画に5000億円が計上され、対象事業に指定避難所の生活環境改善のための取り組みへの支援とともに消防本部への水中ドローンの配備が追加された。
本格的な機体導入の動きは2024年度以降と想定されていることから、ドローンメーカーでは災害対応ドローンとして必須である機体の型式認証取得や重ねての研究開発、また市民への機体認知度の向上に向けた取り組みが進められている。
将来展望
ドローンは、自動車や旅客機など既存モビリティ同様に、世界的に機体を扱う際の法規制や環境づくりなどが整えられてきている。今後は、安全性も高く各産業へ活用できることが評価され、順調に市場が拡大していくと考えられる。中国や欧州、北米、その他各国でも日本と同様に、産業毎の実証実験が実装ステップへと進み、機体需要が増加していく見込み。2030年の産業用ドローン世界市場は1兆4124億2100万円に成長すると予測する。
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