2024肥料年度春肥 高度化成▲1.9% 輸入原料値下げ 国産は値上げ2024年10月31日
JA全農は10月31日、2024肥料年度春肥(11月~5月)の肥料価格を公表した。
海外肥料原料のうち、塩化加里は国際市況が軟調となっていることに加えて、前期より円高傾向にあることから、輸入尿素、りん安、塩化加里ともに値下げをする。輸入尿素は▲4.5%、塩化加里は▲7.1%、過りん酸石灰(過石)は▲1.8%とした。
一方、国産尿素は液化天然ガス(LNG)、石灰窒素は電力など製造コストが上昇していることからメーカーと値上げで決着した。国産尿素は+3.4%、石灰窒素は+2.2%となる。
そのほか国内の製造諸経費も重油価格の上昇を受け値上げで決着した。
また、輸入の有機質肥料のなかには需給がひっ迫したことで値上げになるものもある。
全農によると、尿素はインドが在庫増などを背景に3月の入札が低水準となったことから市況が下落したが、5月にはエジプトの生産量が天然ガス不足によって減少したことなどで反転した。その後、インドが7~8月に入札を再開し、10月以降も入札を実施することから足元では市況は上昇し始めているという。
りん安は、中国の輸出規制が今春に緩和されたことや、春肥需要が一巡したことからアジアでは需給が緩み3~5月にかけて市況は下落した。5月以降は北米やブラジル、インドなどで需要が旺盛だったことから市況は反転したが、足元では落ち着いているという。
塩化加里はロシア品、ベラルーシ品ともに両国への経済制裁に参加しない国への輸出が継続されていることから市況は引き続き軟調に推移しているという。
その他、パナマ運河の通航制限や中東情勢の悪化により、多くの船舶が喜望峰回りとなっていることから輸送コストの上昇は継続している。
今回の価格改定で複合肥料である高度化成(15-15-15)は▲1.9%となる。6~10月の秋肥では+10.6%の値上げとなったことから、わずかに引き下げたものの高止まりしている。
全農では生産コストを下げていくために土壌診断に基づく適正施肥や、たい肥肥料など国内資源の活用などに引き続き取り組んでいく必要があるとしている。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日