高まるバイオスティミュラント普及への期待 生産者への広報活動を強化 日本バイオスティミュラント協議会2025年3月14日
農水省によるバイオスティミュラント(BS)の表示に係るガイドライン(GL)の策定が進み、近く発表される見通しだ。農薬や肥料などのメーカーを中心に組織している、日本バイオスティミュラント協議会(JBSA)はGLによる今後の需要拡大を見込み、生産者向けを中心に「BSの啓蒙活動を行うステージに入る」(日高啓事務局長)。ホームページなどを通じて安全性や効果を知らせる広報活動を強める。
日本バイオスティミュラント協議会の日高啓事務局長
BSを巡る環境は大きく変わりつつある。みどりの食料システム戦略にも位置づけられ、農水省は昨年から関係者の意見交換会を開いてきた。同省が意見交換会で示した「バイオスティミュラントの表示に係るガイドライン」案は概ね参加者の賛同を得て、3月からはパブリックコメントを募集し「早ければ4月にも実施」(農水省)となる見通しだ。
JBSAは2018年に農業資材系企業8社で設立し、当初はBSの明確な定義などが定まっていなかったこともあり「先に自主ルールの作成」を進めてきた。農水省の動きを受けて企業側の関心も高まり、この間は正会員や賛助会員が増加。中小や零細の会員も多く、正会員35社、法人賛助会員は120社まで増えている。
バイオスティミュラントの分類別国産・輸入製品数
(JBSA:バイオスティミュラント出荷統計 2023年度調査報告書から)
同協議会の調査では、23年のBSの市場規模は国内向け出荷額約57億2500万円、輸出向け出荷額約1億8129万円の合計約59億円となっている。各メーカーの独自集計データから推計したもので、実際には「倍程度の市場規模ではないか」と見ている。矢野経済研究所は2022年度のメーカー出荷額(国内流通分)を92億2000万円と推計、2030年度は136億1000万円に達すると予測しており、大きな伸長が期待されている。
協議会では「BSの導入期を第1段階、農水省のみどりの食料システム戦略に掲げられ、自主基準作りに乗り出したのが第2段階とすれば、ガイドラインが実施されてからは啓蒙活動を重視した第3段階に入る」と見ている。これまでは会員企業などの技術的な側面の検討などが主であった。今後はGLにもとづく自主的な表示の運用と同時に、企画・広報活動に力を入れる。
ここ数年の猛暑などの影響もあり「農家からはBSにも頼らなければ」といった声も多く聞かれる。生産者にとっては選択基準が明確ではなかったが、GLで安全性や効果などの理由を明示できれば「農家などに訪問して説明することで、信頼が得られる」可能性も高い。そのため、まずは生産者への広報活動を強め、その先には消費者向けにも取り組みたい考えだ。
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