TOWINGと三菱UFJ銀行が長期的なJ-クレジット売買契約を締結2025年3月31日
TOWING(西田宏平代表取締役CEO)と三菱UFJ銀行は3月27日、三菱UFJフィナンシャル・グループの温室効果ガス排出ネットゼロ及び、中部エリア(東海4県:愛知県、岐阜県、三重県、静岡県)の農業生産性向上と環境負荷低減の両立を目指し、TOWINGが創出するバイオ炭由来のJ-クレジットを3年間にわたって売買し、計210tの二酸化炭素(CO2)除去量を取引する売買契約を締結した。
バイオ炭の農地施用によるCO2削減イメージ
TOWINGは「みどりの食料システム戦略」に寄与するため、減化学肥料および農業分野の脱炭素を実現する土壌改良資材である高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」の開発・販売と、バイオ炭由来のカーボンクレジットの創出・販売を行っている。両社は今回の長期売買契約を通じて、持続可能な農業の推進とカーボンクレジット市場の発展に貢献し、中部エリアの脱炭素促進を目指す。
バイオ炭は、もみ殻や植物性残さなどのバイオマスを炭化させたもので、農地に施用することで長期間にわたり炭素を土壌に固定することができる。これにより、本来廃棄されることでCO2を排出するバイオマスを有効活用し、大気中のCO2を除去することにつながる。
バイオ炭による温室効果ガス削減効果は、森林と同様に大気中のCO2を削減する「除去型クレジット」に該当し、貯留した炭素が大気中に再放出されるまでの期間である「耐久性」の指標が森林を上回るとされており、カーボンクレジット市場において、より高品質なクレジットとして位置づけられている。
同契約は、TOWINGが今後創出するJ-クレジットの予約受注を含む3年間にわたる契約となり、TOWINGのプログラムに参画する農業生産者が排出削減プロジェクトに取り組む際に生じるJ-クレジット売却価格及び売却時期に関する不確実性を取り除くことに繋がる。これにより、将来の中部エリアにおけるさらなる「宙炭」の普及と農業の脱炭素化促進に寄与することが期待される。
同契約は2024年9月に発表されたTOWINGのカーボンクレジットの予約販売に関するビジネスモデル特許(特許第7138390号)取得後、第1号案件となる。
TOWINGは「サステナブルな次世代農業を起点とする超循環社会を実現する」をミッションに掲げ、2020年2月に創業した名古屋大学発インパクトスタートアップ企業で高機能バイオ 炭「宙炭(そらたん)」を開発・販売している。農林水産省みどりの食料システム法基盤確立認定事業者で、2022年度「STI for SDGs」アワード文部科学大臣賞など受賞多数。
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