サントリーと高機能バイオ炭の実用性に関する実証実験開始 TOWING2025年6月2日
TOWINGとサントリーは、サントリーのサプライチェーンから発生した製造残渣を原料とした高機能バイオ炭の実用性に関して、共同で実証実験を開始。同実証実験は、「製造残渣に新たな価値を付与するアップサイクル」と「高機能バイオ炭の使用を通じた化学肥料の使用抑制等による温室効果ガス(GHG)排出削減」という2つの意義を踏まえて行われる。
実証実験では、サントリーの製造工程から出た飲料残渣(緑茶粕)を炭化したバイオ炭をベースに、TOWINGが保有する、有機肥料の分解促進機能等さまざまな機能を持つ微生物群を培養した高機能バイオ炭を製造。将来的には、サントリーのサプライチェーンで生じるその他の製造残渣からも高機能バイオ炭を製造し、アップサイクルの拡大・推進を見込んでいる。
農林業由来のGHG排出量は全体の13%を占めるとされ、中でも、製造段階で化石由来原料を大量に消費する化学肥料は多くのGHGを排出していると言われる。再生農業手法の1つである有機肥料使用栽培では、新たな化学肥料の使用を減らすことでGHG排出削減が期待されるが、肥料利用効率が低く化学肥料使用時に比べて収穫量が減るという課題がある。
高機能バイオ炭を有機肥料と同時に農地に使用することで肥料利用効率が高まり、農作物の品質や収穫量向上が期待される。また化学肥料の使用抑制につながることからGHG排出削減も見込まれる。
今回の実証実験では、チャノキを栽培するサントリーの契約農場において、通常の有機肥料使用栽培と、高機能バイオ炭を散布したうえでの有機肥料使用栽培を行い、農作物に与える影響を調査・比較する予定。すでに完了している第1期収穫では、高機能バイオ炭を散布した農地において、農作物は通常時と同等の質を維持しながら、収穫量が増加することを確認している。
この結果を踏まえ、第2期以降も両社で実証実験を重ね、高機能バイオ炭の効果や栽培効率向上にいたる諸条件を引き続き検証。また、従来の農業手法と同等の収穫率が期待できる再生農業手法の確立を目指す。
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