日本バイオスティミュラント協議会が会員向け勉強会を開催2025年6月4日
日本バイオスティミュラント協議会(以下JBSA)は、農林水産省の新ガイドライン公表に備え、会員企業を対象とする勉強会を6月2日東京都中央区のAP日本橋にて実施した。
開会挨拶をする梶田会長
会場には多くの会員企業の担当者が集まり、併せてWebでの同時配信も行われた。今回の勉強会は、農林水産省が公表予定の「バイオスティミュラントの表示等に係るガイドライン」に備え、協議会が策定を進める自主基準案の内容を共有し、会員間の理解を促進することが目的。
会ではまず、外部から専門講師を招き、以下のテーマで講演が行われた。
◎「BS資材の栽培試験について」
講師:株式会社環境管理センター 基盤整備・研究開発室
内容:バイオスティミュラント資材(以下、BS資材)の効果検証に必要な栽培試験設計の基礎を解説。試験条件の設定方法や評価項目の選定ポイント、実際のデータ解析手法などが示された。
◎「バイオスティミュラントにおけるSDS解説」
講師:独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)化学物質管理センター 情報基盤課
内容:化学物質管理の視点から、BS資材に関する安全データシート(SDS)作成時の注意点を説明。各項目に記載すべき情報や、法令遵守上のポイントを具体例を交えて紹介した。
◎「SDS作成におけるNITE Gmiccsの活用」
講師:同センター 情報基盤課
内容:NITEが提供するGHS(Globally Harmonized System)混合物分類判定およびラベル/SDS作成支援システム「NITE Gmiccs」の操作方法をデモンストレーション。実際に画面を用いながら、GHS分類判定結果の見方やSDS自動生成の流れを解説した。
◎「バイオスティミュラントの表示等に係るガイドラインの公表」
講師:農林水産省 消費・安全局 農産安全管理課
内容:2025年5月に同省が公表したガイドラインの背景と主なポイントを解説。ガイドラインでは、製品表示に関わる表記ルールや栽培試験の要件、安全データシートの義務付け範囲などが示されており、今後の法令対応スケジュールなどについても説明があった。
また、講演終了後にはJBSA企画・広報委員会から、「日本バイオスティミュラント協議会自主基準(案)」の概要が紹介された。会員各社に向けた自主基準案では、BS資材の製品表示基準や品質管理項目、試験手法の統一要件などが盛り込まれており、健全な市場形成に向けた具体的ルールが示された。今後は会員間での意見交換を経て最終版を策定し、国内外に向けた周知を進める予定。
今後、JBSAではBS資材の適正使用と信頼性向上、さらには規格化に向けた理解促進を目的に、会員向け勉強会を年2回、一般向け講演会を年1回開催している。勉強会では資材の研究開発に必要な技術情報や最新動向を提供し、講演会では農家や流通事業者など幅広い関係者に向けて情報発信を行っている。これにより、BS資材を取り扱う事業者だけでなく、最終的な使用者である生産農家にも役立つ知見を継続的に提供しているという。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発に注意 石川県2025年8月1日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 府内全域で多発のおそれ 大阪府2025年8月1日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 静岡県2025年8月1日
-
【注意報】ネギアザミウマ 県下全域で多発に注意 富山県2025年8月1日
-
【注意報】キク、野菜、花き、果樹にタバコガ類 県下全域で多発のおそれ 富山県2025年8月1日
-
「安定供給は1丁目1番地」 トランプ関税、農産物輸出でも懸念 JA全農が総代会2025年8月1日
-
(446)人手不足ではなかった?米国のトラックドライバー問題【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年8月1日
-
【役員人事】JA全農 経営管理委員(7月31日付)2025年7月31日
-
【役員人事】JA全農 理事体制(7月31日付)2025年7月31日
-
【全中教育部・オンラインJAアカデミー】「激動する世界とその見方、学び方」 世界の変化と日本外交の行方 元外務次官の薮中氏が講演2025年7月31日
-
"寄り添う"活動で信用・期待に応える態勢づくり JA共済連2025年7月31日
-
共済金支払総額3兆5475億円 経常利益1002億円 JA共済連決算2025年7月31日
-
【人事異動】農水省(8月1日付)2025年7月31日
-
【人事異動】JA共済連(7月31日付)2025年7月31日
-
6月の米の家庭内消費、前年同月比で4ヵ月連続のマイナス 農水省の「需要上振れ」と整合せず 米穀機構2025年7月31日
-
米高騰 根底には産地の弱体化 食糧部会で現場の声2025年7月31日
-
加工原材料向け備蓄米 随契販売実施 8月1日申込 農水省2025年7月31日
-
米流通「目詰まり」確認できず 流通多様化で系統集荷34万t減 農水省2025年7月31日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】日米関税交渉の評価で見落とされている視点2025年7月31日
-
切り花価格の高騰で消費者は買い控え【花づくりの現場から 宇田明】第65回2025年7月31日