米国ニューヨーク市に人工光型植物工場のマーケティング拠点を開設 クボタ2025年12月23日
株式会社クボタは、米国ニューヨーク市に人工光型植物工場の販売事業立ち上げに向けたマーケティング拠点「Kubota Urban Agriculture Marketing Office(KUAMO)」を開設した。同拠点には、出資先である株式会社プランテックスが開発した完全閉鎖型植物栽培システムを導入し、現地ニーズの調査や顧客・事業パートナーの開拓を進める。
左から、システム装置内(レタス)、プランテックス製 完全閉鎖型植物栽培システム
米国では、西海岸が野菜や果物などの主要生産地である一方、東海岸の都市圏が大消費地となっており、両地域間の長距離輸送に伴う鮮度低下や物流コストの増加、温室効果ガス排出量の増大が課題となっている。また、西海岸では気候変動に伴う干ばつや人口増加による水不足に加え、農業分野での労働力確保の難しさが深刻化しており、野菜などの安定生産・供給に対するリスクが高まっている。
こうした背景から、気候条件に左右されず、年間を通じて安定した作物生産が可能な生産方式として、LEDなどの人工光源を用いて室内で栽培環境を制御する「人工光型植物工場」が注目されている。プランテックスの完全閉鎖型植物栽培システムは、小区画の閉鎖空間ごとに栽培環境を精緻に制御する独自方式を採用し、高い品質安定性と生産性を実現している。
クボタは、米国における安定的かつ効率的な食料生産への貢献を目的に、ニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン区にマーケティング拠点「KUAMO」を設立した。設立は2025年11月で、同拠点にはプランテックス製の完全閉鎖型植物栽培システムをはじめ、養液供給装置など、栽培システムの運用に必要な機器を導入している。
KUAMOでは、導入設備を活用した野菜のテスト生産を行うとともに、米国市場における人工光型植物工場や栽培作物に関するニーズ、嗜好、課題の調査を実施する。また、顧客候補や事業パートナーの開拓を進め、人工光型植物工場の販売事業に関するマーケティング活動を米国で推進していくとしている。
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