生産資材:年頭あいさつ2018
雨宮 宏司 氏(一般社団法人日本農業機械化協会 会長) 2018年1月3日
新年明けましておめでとうございます。
昨今の農業を取り巻く状況としては、日欧EPAやTPP11合意などの状況を受け、さらなる生産性向上と経営高度化が求められています。このような中、新たな法律として「農業競争力強化支援法」が制定され、農業機械に関しても低コスト化につながるような取り組みが強化されています。
一方では、これに伴い「農業機械化促進法」が廃止となり、一定の区切りの時を迎えたともいえ、新しい時代へ向けて挑戦を進めていく必要があります。
ロボット農機の安全化へ万全期す
本会としては農業機械・施設の利用による生産性向上と農作業安全の推進を主たる事業として、さらなる高度化により皆さまのお役に立つべく業務を推進しているところです。
生産性向上・コストの低減については、特に中古農業機械査定士制度を設置・運営しています。有資格者数はすでに1000名を超え、本年1月にもさらに400名超の方が受験される見通しとなっており、この仕組みによる標準的な中古農機価格設定方法が拡がりつつあります。売り主・買い手ともに安心できる価格設定で健全な中古市場が育成されることにより、農業生産コスト低減のお役に立てればと考えています。
さらにもう一つの重要な柱である農作業安全ですが、就業者当たりの事故による死亡者数は他産業と比べても特に高く、深刻な問題となっています。本会は長年、安全対策に取り組んでまいりましたが、最近ではロボット農機がいよいよ実用化の時期を迎えたことから、これについても安全のスタンダードづくりが求められるようになってきました。このため、昨年度より関係メーカーなどからなる「ロボット農機安全性確保策検討コンソーシアム」を組織し、具体的な安全策の策定に取り組んでいます。
加えて、一般的な農作業安全対策としても、安全講習時や法人の朝礼時などに用いていただくことを想定した、それぞれの作業内容や天候などに対応できるパソコン用ソフトウェアづくりを進めているところであり、近々皆さまにお使いいただけるようになるものと存じます。
末筆となりましたが、本年も農業機械化・施設化に尽力される皆さま方のご発展とご健勝を心よりお祈り申し上げます。
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