やってよかった集落営農 ホンネで語る実践20年のノウハウ

- 著者
- 上田栄一
- 発行所
- サンライズ出版
- 発行日
- 2013年5月30日
- 定価
- 1500円+税
- 電話
- 0749-22-0627
- 評者
- 田村政司 / JA全中担い手・農地対策課長
滋賀県で農業改良普及員として指導にあたっていた著書が、自らの集落で集落営農を立ち上げた経験をふまえ、農家の立場にたって、メリットや合意形成のすすめ方をわかりやすく解説している。
JAによる組織化支援
実践のノウハウも提示
小規模農家が自ら機械を装備し、限られた労働力の中で、我が家の田んぼを自己完結的に維持していくことの限界を指摘するとともに、専業農家が多い地域でもコストを抑え、労力を軽減し、園芸や畜産での収益拡大を目指すべきとするなど、集落営農の意義を多面的に説いている。
集落営農の立ち上げを決める際に「総論賛成、各論反対」という状況が生まれることを指摘し、採決にあたり、各農家が加入するか否かを問うのではなく、集落営農を設立してよいか否かを問うことで、反対する者がいなくなり、集落全体の認知を得ることができるなど実践的なノウハウも示している。
さらに、法人化をはかることで、構成員への収益費用の按分計算の負担がなくなり、労災保険への加入、農地借り受けができるなどの利点や、農家以外の参加や新規作物の導入など積極的な事業展開の機運が生まれてくるなど、法人化による経営発展を提言している。 欄外コラムでは、集落営農ができればいずれ「JAの資材は高い」「直接販売しよう」というJA離れが起きることを指摘し、設立時からJAがしっかりと支援していくことが必要としている。集落リーダー、JA営農指導員に是非読んでいただきたい一冊である。
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