JAのフードシステム戦略 販売事業の革新とチェーン構築
- 著者
- 斎藤修(千葉大学大学院園芸学研究科教授)・松岡公明(JC総研理事)編著
- 発行所
- 農山漁村文化協会
- 発行日
- 2013年9月10日
- 定価
- 2800円+税
- 電話
- 03-3585-1141
- 評者
- 大木美智子 / 一般財団法人消費科学センター理事長
『農協のあり方についての研究会』(農水省)の報告書が発表されてから10年になる。当時、その研究会の座長をつとめられた今村奈良臣先生と対談をさせて頂く機会があったが、先生は農協の問題点として、消費者に一番直結する農産物の販売が非常に重要だと強調されていた。本書はその農産物販売事業に関心を持つJAの実務者や生産者にとって有益な参考書となるであろう。
消費者直結の販売
JA改革の姿示す
農業者の高齢化や減少、耕作放棄地の増加など、日本農業の衰退が心配されている。消費者としても安全・安心な農産物の供給や、食料の自給力の維持向上、そして美しい自然環境を守るためにも農業の活性化を望んでやまない。そのためにもJAの改革が必要と思われるが、なかなか進んでいないようだ。多くの実務者・生産者に本書を読んでもらい、自信をもってそれぞれのJAの改革を提言し進めてもらえれば、農家の所得向上、活性化、日本農業の復権につながると期待している。
なお帯には「実践的入門書」とあるが、私のような素人にはカタカナ語も多く、いささか難解。実務者はともかく、一般の生産者には取りつき難いのではなかろうか。その場合、編著者には失礼だが「はしがき」は最初に読まないほうが良い。まず第1部の序章だけを読み、次に第2部、第3部を読んだうえで第1部に戻って第1?5章を読んだほうが理解しやすいのではないかと思う。
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