【コラム・目明き千人】農協法改正案を廃案に2015年7月7日
農協法を改正する法案が衆議院の農林水産委員会で審議をされているが、新聞もテレビも取り上げないのでどのような審議が行われているのかさっぱりわからない。日本農業新聞が概要をまとめている。これによると政府・自民党は農協法改正を「重要広範議案」の一つとして位置づけ、今国会で成立を図るよう審議を急ぎ、参考人の質疑や地方公聴会も済ませているという。
安部内閣は、安全保障法制関連の法案を何としても通すためになりふりにかまわない政府の答弁や与野党のかけひきをしている。このために国会の審議全体がゴタゴタしているので今国会の会期末である6月24日を9月末まで大幅に延期して成立を図るとしている。問題が多く労働界から反対意見が出されている労働者派遣法の改正案についても混乱に紛れ込ませて強引に採決、成立の見通しである。
農協法改正案については民主党や維新の党からも修正案が出ているが、それらがどのような内容か、審議の過程で与党、政府側からどのような説明、修正となっているかをマスコミが取り上げないので全く分からない。
農協法の改正で一番の当事者である農家・組合員や農協の役・職員が知らないままに進められている。
日本農業新聞(6月16、18日)によればこれまでの審議での最大の論点は農協の事業目的を定めている農協法第8条について、この条文に新たに「農業所得の増大に最大限配慮する」という項を加える、ということである。農協は「職能組合」と「地域を支える組合」という性格を持っているので、準組合員をどのように位置づけるかが焦点となっている。10月14日に開催される農協大会に向けての農協の自己改革の議論でもこの問題が中心となろう。
衆議院で成立すると参議院の農林水産委員会に回される。幸いなことに、参議院の農林水産委員会の委員長は山田俊男議員である。
参考人の質疑、公聴会、野党の修正案など十分な時間を取ってしっかりと審議をして政府提案の法案の大骨、小骨を取り除いた皮だけにして衆議院に返すか、審議未了、先送りとしてもらいたい。農協だけではなく協同組合組織が代表として国会に送った国会議員の出番が来た。活躍の場、舞台が用意された。山田委員長の活躍に期待をしたい。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日