【コラム・消費者の目】備えあれば・・・2017年11月5日
長崎生まれの私にとって、台風が近づいてくる時のざわざわ感は故郷の思い出の一部になっています。長崎は平地が少ないため、山の斜面を造成して住宅が建てられています。5歳の年に引っ越した家は、南側に切通の崖がそびえたっていました。崖の表面は、コンクリートで覆われていて、その上から太いワイヤーで編んだネットがかけられていました。子供心にあの崖が崩れたらひとたまりもないなと感じていたことを覚えています。
台風が五島列島側を通過すると、東側に位置する長崎は、激しい暴風に見舞われます。当時の玄関は華奢な木枠に薄いガラスが入った引き戸でしたので、父を手伝って下駄箱を引き戸の前に動かしてバリケード代わりにしました。それでも玄関の引き戸は吹き付ける強風で内側に湾曲していて、下駄箱くらいでもつかしらんと、ドキドキしながら一夜を過ごしました。
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平成3年の台風19号は、長崎市に上陸。2軒先のお宅からベランダが飛んできて、実家の屋根に穴が開けました。そこから風が吹き込んで瓦が何枚も飛んだそうです。この台風はその後、山口県から日本海に抜けたものの日本列島に沿うように北上し、各地で甚大な被害をもたらしました。青森で収穫前のリンゴが大量に落下したことでりんご台風と呼ばれるようになりました。
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茨城に住んで20数年。台風の進路に当たる時は、素人ながら事前に畑を見回って、支柱の補強をしています。どこを台風が通過すると畑のどちらから風が吹くのか分かるようになると、植え付けの方向を工夫するだけで風が抜けて倒伏を免れることもあります。自然の前では人間は無力です。しかし、事前に準備をすることで防ぐことができる被害もたくさんありそうです。
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