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薬九層倍を断て【森島 賢・正義派の農政論】2021年3月22日

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表題の中の「薬九層倍」(クスリクソウバイ)は、江戸時代の囃子ことばである。前に「魚三層倍、呉服五層倍、花八層倍」があり、後に「百姓百層倍、坊主丸儲け、按摩掴み取り」と続く。「百姓百層倍」は事実と違うので、削除を要求したいが、それがここでの主題ではない。

薬関係の人たちは、渋い顔をするだろうが、21世紀のいま、一部では「薬九層倍」という現実が罷り通っている。

つまり、こうである。

コロナの検査費をみると、政府が公費、つまり血税で払うときは1件あたり1万8000円である。一方、市中では2000円である。ちょうど九倍になっている。まさに「薬九層倍」である。

これは、医療における官民癒着の、象徴的な1つではないか。コロナ禍のさなかにあって、いま政治が為すべきことは、こうした腐敗した医療体制の全面的な解体と、非常時に即応できる再編である。

コロナ対策には、生臭い官民癒着があるのではないか。「官」は、「薬九層倍」に象徴される利権の独占に伴う有形・無形の利益を守るために、医療体制の改革を進めないのではないか。独占には、必ず有形・無形の独占的な利益を伴うことは、例外のない経済法則である。

コロナ禍は、発生から1年以上も経つのに、そして、非常事態の中にあるのに、医療体制は旧態依然のままである。その間、国民は未曽有の病苦に呻吟している。社会は、ほぼ崩壊している。だが、政治は旧来の医療体制に執着していて、国民の怨嗟の声を聞いていない。

政治が為すべきことは、いまの医療体制の全面的な解体である。そして、非常事態に即応できる再編である。国民は、1年以上も待った。もう、待てない。

先週の18日に、政府は緊急事態宣言を全面解除したが、そのとき、菅 義偉首相が新しいコロナ対策を発表した。その内容をみると、そこに新しさはない。旧態の医療体制を根本的に刷新するという考えはない。

新しい対策には、5つの柱なるものがある。逐条的に寸評しよう。

第1の柱は、あいも変わらぬ会食についてのお説教である。それと時間短縮した飲食店への支給金を、4万円に減額することである。つまり、国民に対する要求だけである。

第2の柱は、変異株について、検査数を少し増やすというものである。これは、実態を把握することが目的だという。だから、全数調査ではない。今頃そんな呑気なことをいっている。

第3の柱は、無症状者の検査の僅かばかりの拡大である。これも、第2の柱と同じで、実態把握が目的だという。コロナの拡大阻止、という大目的に向かうには、極めて僅かな拡大である。

第4の柱は、ワクチンである。6月末までに1億回分を確保するといっている。僅か5000万人分である。アメリカでは、あの控え目なバイデン大統領でさえ、7月4日の独立記念日までに、コロナから独立する、と豪語している。日本の政府は、何と呑気なことか。

最後の第5の柱になって、ようやく医療体制がでてくる。しかし、自宅療養などといって、感染者の市中からの隔離を怠っている。自宅療養に依存しない隔離体制を目指すべきだが、その考えはない。そうして、医療体制を強化する責任を都道府県に負わせて、政府は逃げている。

以上のように、新しい対策の柱は、そのどれもが、国民に対する聞き飽きた三密回避の説教であり、検査体制の形ばかりの拡大であり、ワクチンへの、外国まかせの期待である。そして最後に、医療体制である。政府は、口先だけで具体策のない、しかも都道府県に責任を押し付けて、医療体制をもてあそんでいる。
 総じて言えば、この対策は、コロナの感染拡大を阻止する大目的をもっていない。コロナを絶滅するための、最大の障害になっている旧態依然とした医療体制を、解体して再編する、という考えがない。

この対策でコロナ禍が抑えられると考えているなら、大間違いだろう。

いま、当面しているコロナ対策は、ワクチンが多くの国民に行きわたるまでの間に、予想される第4波の災禍を最小限に抑えることである。

そして、その対策が医療体制の高い壁に阻まれているいま、政府が行うべきことは、医療逼迫などいって病者を脅すことではない。感染症対策の大原則に立ち返ることである。

それは、検査の拡充と、隔離の励行と、治療の充実である。政府は、そこに全力を傾け、愚直といわれてもいい、断固として実行すべきである。

(2021.03.22)

(前回  コロナ方程式で見た政府の反国民性と無責任性赤いワクチンの教訓

(前々回 赤いワクチンの教訓


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