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「現場長」はチェンジ・リーダーとして行動しよう!【JAまるごと相談室・伊藤喜代次】2022年8月9日

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作りっぱなしの「計画」では、現場職員の行動は変化しない

A・ライフ・デザイン研究所 代表 伊藤喜代次A・ライフ・デザイン研究所
代表 伊藤喜代次

昨年の全国JA大会を受けて、今年度から新たな中期計画の実践に取り組んでいるJAも少なくないでしょう。ぜひ、成果をあげてもらいたいと思う反面、心配もあります。JAはとかく美辞麗句に彩られた計画を作文する傾向が強く、地区別の懇談会でも、総代会においても、しっかりと議論をしないで組織的な合意に持ち込む傾向も強いように感じます。

合併前の小さなJAのときも、合併で大きな組織になっても、この運営手順が変わらないのは不思議なことです。大きな組織になれば、事業組織としての行動プロセスは変化すべきでしょう。1万人、数万人の組合員を抱える組織になった以上、組合員に広く理解を求める手法、手段を見直すのは当然です。これは、支所や事業所の事業や運営管理も同様です。

新たな計画の実践、目標の達成で重要なことは、職員の行動が変わる実施計画を策定することです。組合員のみなさんには、多少、歯が浮くような文章も必要でしょうが、職員に対しては、JAの組織的な目標や成果を明確に示し、確実な成果をあげることを具体的に提案することが必要です。これが実施計画(アクション・プラン)です。実施計画が求めるのは、現場職員の行動の変化です。日々組合員やお客さんと接する職員の行動の変化です。

これは、本所や本部の職員の仕事です。現場の職員に、総代会で決議してもらった計画書を配布しても、それを読み込み、理解して行動を変える現場の職員は少ないです。従来の行動様式は、なかなか変わらないのです。

余談ですが、私が中期計画などの策定でコンサルをしたJAでは、理事会(管理者)向けの計画、地区別座談会や総代会向けの計画、職員向けの実施計画と、3種類の計画書の作成は当然と考え、行ってきました。30歳代職員のチームの英知を結集し、多くの調査をふまえて原案を作成した以上、理解され、納得して実行する計画にしたい、作りっぱなしの計画にしたくない、という強い思いがあったからです。

現場の「長」はチェンジリーダーとしてチャンスを活かす

民間企業においても、新たな計画の策定では、中長期の目標を示し、たとえば、5年後に到達したい目標は何か、何を実現したいかを具体的に明示するとともに、現場におけるスタッフ(お客や利用者との接点)のための重要な項目について、行動を変化させるためのイラスト化説明書やマニュアルを作成します。本部スタッフはここに時間をかけ、新たな計画にもとづいて、スーパーバイザー(現場指導)やエリア・マネジャーの活動内容も変化し、現場のマネジャーとの話合い、実践上の課題や悩みなどの相談に対応します。

そこで、組織(本部)が期待するのは、現場の変革は管理者が変革のリーダーとして行動してほしいということです。現場リーダーは変革のリーダーであり、近年では、"現場管理者こそチェン・ジリーダーだ"といわれます。

ところで、このチェンジ・リーダーという言葉を目にしたことがあるでしょう。最初にこの言葉を使ったのはP・F・ドラッカーです。彼は、『明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命』(ダイヤモンド社1999年刊)の中で、チェンジ・リーダーという存在の重要性を論じています。ちなみに、翌年に発刊されたドラッカーの『チェンジ・リーダーの条件―みずから変化をつくりだせ!』 (ダイヤモンド社 2000年刊)では、変化は常態化しており、リスクもあるが、チャンスをもたらす時代でもあるとし、有能なチェンジ・リーダーの組織はチャンスをもたらす、と具体的に論じています。

私がドラッカーの著書のなかで、もっとも重要だと思う一節は、「チェンジ・リーダーとは、変化を機会としてとらえる者のことである。変化を求め、機会とすべき変化を識別し、それらの変化を意味あるものとする者である。」です。

管理者を変革のリーダーとするのは、「オレの指示に従え」、「言われたことをやれ」といった上意下達型、指示命令型のリーダーではない。上部の方針や計画の趣旨をふまえ、事業環境の変化を、機会(チャンス)と認識して、しっかりとした組織内コミュニケーションを通じ、スタッフの行動の変革をサポートし、行動を共にするリーダーです。

いまでは、一行政エリアの広さを持ち、数多くの職員が働く現場組織も増えています。このようなJAでは、組織一律のねらいと目標、方法で、変化しようとするよりも、個々の現場組織が、それぞれの事業環境や条件を前提に、具体的な変革への行動に移行していく道筋を考えたいものです。

現場の管理者は、チェンジ・リーダーに相応しい条件を有しています。しかも、現場の職員の行動変化もチェックでき、実情に合わせて柔軟に対応できます。最初から、バリバリとできる現場管理者はいないでしょう。早めの判断は禁物。任せ、信じることです。

ちなみに、現場管理者をチェンジ・リーダーとして活躍してもらうためのポイントは、現場管理者の教育とか研修ではなく、新たな計画づくりのプロセスで、何回でも、現場管理者の話や意向をしっかりと聴くことです。

◇   ◇

 本コラムに関連して、ご質問、ご確認などがございましたら、お問い合わせフォーム(https://www.jacom.or.jp/contact/)よりご連絡ください。コラム内又はメールでお答えします。

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