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農基法の基本問題【森島 賢・正義派の農政論】2022年10月11日

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表題の農基法は、「食料・農業・農村政策基本法」のことである。長ったらしいから短縮した、というわけではない。食料と農業と農村を並列しているだけで、それらの根底にある基本的な関係をあいまいにし、そこにまで遡って考えていない。このことに、批判を加えたい。
基本法とは、その分野の憲法というべき法律である。そこでは、その分野での社会観を、そして立法の精神を、高らかに謳い上げるべきものである。ちょうど、日本国憲法が平和主義と主権在民を謳い上げているように。
農基法の基本的な論点は、市場原理主義からの決別ではないか。そして国家の責任の、より重い自覚ではないか。
農水省は、その農基法を検討する会議を、先月末から始めた。毎月2回づつ会合し、1年後に方向性を決めるという。
農業をとりまく内外の情勢が激変しているなかで、大いに歓迎するとともに期待したい。

20221011の図-1.jpg

20221011の図-2.jpg

上に2つの図がある。このうち上の図は、旧農基法が施行された1961年以後の食糧自給率の推移である。下がり続けていて、上がる気配はない。世界の政治状況を、1989年までの東西冷戦期と、それ以後の米一国支配期とに分けても、下がり続けていて、上がる気配はない。

下の図は現在の食糧供給量を国別にカロリーで表したものである。今後の世界の政治状況を、中米対立期とみるならば、米側の米、加、豪の3国を合計すると、43%に達する多さである。国内自給率の38%よりも多い。

この状態で、今後の中米対立期に入れば、日本は米側に、第3の武器といわれる食糧を牛耳られることになる。そうなれば、日本は独立を失い、米側に従属するしかない。それでいいのか。

農政審はいま、食糧安保にかかわる、この点を問われている。

中米の対立は、物とサービスの生産に、社会がどれほどかかわるか、という点の基本的な対立である。それは、市場にどれほど任せるか、という点の対立でもある。全てを任せるという国はないし、全く任せないという国もない。

それは、程度の問題ともいえるが、そういうほどに単純な問題ではない。市場経済には、効率性の点では優れているが、労働の搾取がつきまとう。そして、格差と分断を結果する。

この点で、中国は労働の搾取を否定することが国是である。その一方、米国は自由な市場経済が国是である。

日本が中米対立という新時代のなかで、米側につくとすれば、自由な市場経済を採るしかない。労働の搾取と格差と分断を、基本的に肯定するしかない。

ここに、農政審の議論の基本的な論点がある。

東西冷戦期、米一国支配期に続く中米対立期という、世界の大きな転換点に立って、日本の食糧安保は、このままでいいのか。このまま市場原理主義の農政を続けるのか。国家の責任を否定する農政を続けるのか。

農基法の、この基本問題の議論が、農政審に期待されている。

(2022.10.11)

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