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コメどころ秋田で行われた2つの講演会【熊野孝文・米マーケット情報】2026年1月20日

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コメどころ秋田でコメの生産者を対象にした2つの講演会が開催された。一つは1月15日JA大潟村が主催した組合員を対象にした研修会で、テーマは「令和7年産米の作柄分析報告と乾田直播の結果報告」と「今後のコメ相場動向」。もう一つは、1月17日秋田県のコメ集荷業者・渡辺清米商店が主催して大仙市で開催された中仙営農研究会で、テーマは「経営と税金」と「イネの生理を理解した増収対策」と「今後のコメ相場動向」。コメ相場動向についてはいずれも著者が担当した。

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JA大潟村の研修会では、出席した生産者組合員に乾田直播の収量調査結果のデータが記された資料が営農課から配布された。そこには令和7年産米であきたこまちが10アール当たり534kg、たつこもちは625kgという数字が書かれていた。これらのデータは平均値であり、比較のために下の段に移殖(田植え)して得られた収量データも示されており、それはあきたこまちが576kg、たつこもちが638kgで、この収量に比べ乾田直播は遜色ないぐらいの収量を上げていることがわかる。データは令和5年産から3年間分が記されており、令和5年産のあきたこまちの10アール当たり収量は移植が539kgであったものの乾田直播は571kgで移植を上回る収量が記録されている。

乾田直播でこれほどまでに高い収量を上げている理由を翌日、営農課の課長氏と乾田直播に取り組んでいる研究会会長の生産者に話を聞かせてもらった。大潟村の乾田直播の栽培方法は、ドリルシーダー方式とV溝方式の2通りあり、農協の倉庫には真新しい機械が置かれていた。これは今年乾田直播に取り組む生産者が増え、一気に100ha規模になると予測されることから農協が貸し出すことを前提に購入したばかりの農機。

直播に取り組んでいる生産者は自社の水田はすべて直播栽培で、このほかの圃場はかぼちゃを生産しているため乾田直播栽培に切り替えたことにより1人で水田栽培をこなすことが出来るようになり、労働力が格段に軽減されたことが最大のメリットだと強調していた。

メリットはそれだけでなく、育苗ハウスで苗を育てる必要がなくなったことから代わりに野菜を栽培して売り上げアップにも貢献できるという。

大潟村にはもうひとつ触れなくてはならないトピックがある。それは、生産者自らが出資して設立されたパックご飯製造販売会社ジャパンパックライス秋田が男鹿市にも進出、ジャパンパックライス男鹿を設立して小学校跡地にパックライスの工場を建設したこと。このパックご飯工場を設立した涌井徹会長が自ら新工場に案内してくれた。

工場の製造ラインは自動化されており、容器詰め工程では、ご飯パックにピンホールや張りむらがないか瞬時にわかるようにワンパックごとの容器の気圧が測定できる最新の機器が備えてあった。

この工場では1日20万パック年間6000万パックが製造できる能力がある。本格操業は3月からだが、男鹿市と仙北市のふるさと納税用のパックご飯が体育館を改造したラック式倉庫にうずたかく積まれていた。ふるさと納税のコメはグループ会社である(株)大潟村あきたこまち生産者協会が消費者に届ける。同社はパックご飯の原料米調達も手掛けており、令和8年産米の生産計画ではサキホコレやあきたこまちといった秋田県のオリジナル品種以外にハイブリッド品種のしきゆたかや多収のちほみのりなどの種子4828kgを準備して作付けに当たる。

1月15日はたまたまクリスタルライス新年初の取引会が開催され93産地銘柄20万5479俵が売りメニューとして買い手に提示された。加重平均価格は1俵2万6303円で前回11月27日の取引会の価格に比べ4420円も値下がりした。これだけ値下がりしたにも関わらず成約率は12%に留まった。取引参加者によると買い手の卸は手持ち在庫を少しでも軽くすることを優先しており、安くても買えない状況だという。

ところが在庫を捌きたくても量販店の銘柄米は売れ行きが滞っており、大手量販店ほどその傾向が強いという。コメが売れないかと言うとそうではなく快進撃を続けているディスカウントスーパーのR社やA社は、精米は数量ベースで120%を超えているという。要は高値の精米売価を付けている量販店のコメは売れないだけで、安値で精米を並べているスーパーは間違いなく売れているということ。ちなみにクリスタルライスの売りメニューでは15件1万8758俵の秋田あきたこまちが提示されていた。売り唱え価格は高いものは東京着で2万9800円だが、安いものは2万3660円の売り唱え。当たり前のことだが同じ秋田あきたこまちなら安い方から売れて行く。これは1車単位の玄米取引でもスーパーで販売されている5キロ精米袋でも同じである。

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