【農協改革】事業譲渡案に反論 農林中金2014年5月27日
河野理事長が会見で
農林中央金庫の河野良雄理事長は5月22日の決算発表の記者会見で、JAの信用事業の譲渡や代理店化を一律に求めている政府の規制改革会議の意見に対して「JAは多様性を持っている。一律で代理店になったり事業譲渡するのは意味がなく困難」と指摘し、農業、農村政策の目標を明確にしたうえでの農協改革論議であるべきと批判した。
◆改革は実態に合わせて
河野理事長は農業政策の目標について▽良質で安価な食料を国民に提供すること、▽そのために必要で効率的な生産体制を形成すること、▽地域経済を活性化する農業を実現すること、▽農業の多面的機能を維持すること、の4つではないかと話した。
そのうえで「規制改革会議農業WGが意見を出す前の政府の成長産業戦略は、この4つがすべてクリアできている」として、農地中間管理機構や6次化ファンド、日本型直接支払い制度などの具体策を挙げ、「こうした制度とJAグループは連動しながら、担い手を軸とした農協の機能を発揮していく役割に変わってきている」、「JAグループ営農・経済革新プランはそれに即した改革プラン」と強調した。規制改革会議での農協批判は、こうした新たな農政が展開されていない時代の農協を批判したに過ぎないとの反論だ。
また、信用事業の事業譲渡などについては、規制改革会議自体が「農業やJAの多様性については評価されている」として「一律で代理店になったり信用事業譲渡をするというのは意味がない、困難だと思う」と述べ、改革するにも実態に合わせることが必要だと話した。
(写真)
会見で農協改革への意見を述べる河野理事長
◆全中の指導内容、細かく検討を
そのほか、中央会の廃止については「農林中央金庫は再編強化法で農協の信用事業について指導できることになっている。しかし、不祥事はそれ以外でも起こる。全体として指導する機関、全中のような機能がわれわれにとっては有効に活用している。今の機能は必要だと思っている」と指摘し、「規制改革会議のようなゼロか、100かではなく、現在の全中の指導内容をもう少しチェックし、こういったものが無駄ではないか、これは有効ではないかと、きめ細かく検討すべきではないか」と話した。
(関連記事)
・経常利益、目標上回る1750億円 農林中金決算(2014.05.23)
・8月までに6県域が導入 JAバンクCS改善(2014.05.19)
・農中森力(もりぢから)基金を設立(2014.05.13)
・【コラム・ひとこと】農協改革にひとこと(2014.04.15)
・「失敗恐れず挑戦を」 148人がJA共済連入会(2014.04.03)
重要な記事
最新の記事
-
米の作況指数の公表廃止 実態にあった収量把握へ 小泉農相表明2025年6月16日
-
【農協時論】米騒動の始末 "瑞穂の国"守る情報発信不可欠 今尾和實・協同組合懇話会委員(前代表)2025年6月16日
-
全農 備蓄米 出荷済み16万5000t 進度率56%2025年6月16日
-
「農村破壊の政治、転換を」 新潟で「百姓一揆」デモ 雨ついて農家ら220人2025年6月16日
-
つながる!消費者と生産者 7月21日、浜松で「令和の百姓一揆」 トラクターで行進2025年6月16日
-
【人事異動】農水省(6月16日付)2025年6月16日
-
3-R循環野菜、広島県産野菜のマルシェでプレゼント 第3回ひろしまの旬を楽しむ野菜市~ベジミル測定~ JA全農ひろしま2025年6月16日
-
秋田県産青果物をPRする令和7年度「あきたフレッシュ大使」3人が決定 JA全農あきた2025年6月16日
-
JA全農ひろしまと広島大学の共同研究 田植え直後のメタンガス排出量調査を実施2025年6月16日
-
生協ひろしま×JA全農ひろしま 協働の米づくり活動、三原市高坂町で田植え2025年6月16日
-
JA職員のフードドライブ活動で(一社)フードバンクあきたに寄贈 JA全農あきた2025年6月16日
-
【地域を診る】「平成の大合併」の傷跡深く 過疎化進み自治体弱体化 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年6月16日
-
いちじく「博多とよみつひめ」特別価格で予約受付中 JAタウン2025年6月16日
-
日本生協連とコープ共済連がともに初の女性トップ、新井新会長と笹川新理事長を選任2025年6月16日
-
【役員人事】日本コープ共済生活協同組合連合会 新理事長に笹川博子氏(6月13日付)2025年6月16日
-
【役員人事】2027年国際園芸博覧会協会 新会長に筒井義信氏(6月18日付)2025年6月16日
-
農業分野で世界初のJCMクレジット発行へ前進 ヤンマー2025年6月16日
-
(一社)日本植物防疫協会 第14回総会開く2025年6月16日
-
農業にインパクト投資を アンドパブリックと実証実験で提携 AGRIST2025年6月16日
-
鳥取・道の駅ほうじょう「2025大大大スイカフェスティバル」22日まで開催中2025年6月16日