地震リスクを証券化したキャットボンドを発行 アジア開発銀行の債券を活用した発行は世界初 JA共済連2025年4月21日
JA共済連は4月16日、アジア開発銀行(ADB)が発行する債券を担保資産として活用する世界初のキャットボンド「Nakama Reシリーズ2025-1クラス1」(Nakama Re 2025-1)を発行した。
Nakama Re 2025-1のスキーム図
キャットボンドは、発生する確率は低いが発生した場合の損害規模が大きい巨大災害リスクを証券化し、機関投資家に発行することで、将来の巨大災害発生に備えた資金を調達する仕組み。JA共済連は国際復興開発銀行(IBRD)、欧州復興開発銀行(EBRD)およびADBの各国際機関の債券をキャットボンドの担保資産に活用した、世界初のスポンサーとなった。
同キャットボンドは、建物更生共済における将来の巨大地震発生に備えた資金を調達するために、シンガポールの特別目的再保険会社「Nakama Re Pte. Ltd.」が機関投資家向けに発行している。JA共済連は、あらかじめ定めた支払共済金を超過する地震が日本国内で発生した場合に、その超過額に応じて償還予定元本の一部または全部を「Nakama Re Pte. Ltd.」から支払再保険金として回収し、契約者に対する支払共済金に充当する。
■Nakama Re 2025-1の概要
発行体:Nakama Re Pte. Ltd.
スポンサー:JA共済連
発行金額:額面1億米ドル(約145億円)
期間:令和7年4月~令和12年4月(5年満期)
対象:日本国内の地震
利回り:2.10%
ADBの活用はESG(環境・社会・ガバナンス)投資の観点などから「極度の貧困を根絶する取り組みを続けながら、豊かでインクルーシブ、災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現」を目的とした債券を発行しているため。また、調達した元本は「極度の貧困を根絶する取り組みを続けながら、豊かでインクルーシブ、災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現」を目的とする債券で運用する点が最大の特徴であり、世界初の取り組み、としている。
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