「特A」に54点 福井「いちほまれ」初チャレンジで特A-令和元年産米 食味ランキング2020年2月26日
(一財)日本穀物検定協会は2月26日、令和元年産米の食味ランキングを公表した。特Aにランクされたのは54産地品種(30年産は55)で、このうち7産地品種が初めて特Aを取得した。
お米のイメージ
初の特A取得のうち、福井の「いちほまれ」は元年産で新規にランキングの対象となった産地品種。そのほか、青森「まっしぐら」、山形(置賜)「雪若丸」、静岡(東部・中部・西部)「きぬむすめ」、滋賀「コシヒカリ」、高知「ヒノヒカリ」、宮崎(西北山間)「ヒノヒカリ」。
54産地品種のうち、30年産でA、またはA´だったのは20産地品種。一方、30年産で特Aだったが、今回Aに移行したのは21産地品種あった。特Aの数は昨年より1産地品種の減だが、21産地品種が入れ替わったことになる。
そのほか「A」に評価されたのは73産地品種(30年産は67)、「A´」に評価されたのは28産地品種となった。「B」と「B´」はいずれも該当なし(30年産も同)となった。
対象産地品種は道府県の奨励品種であることや、作付面積が一定の基準を満たすなどで選定している。複数産地のコシヒカリのブレンド米を基準米として同協会が選抜、訓練した専門の食味評価員20名が評価する。基準米よりも特に良好なものを「特A」、良好なものを「A」、基準米とおおむね同等なものを「A´」、やや劣るを「B」、劣るを「B´」としている。
令和元年産米は、北海道、東北、北陸では全もみ数が平年以上に確保され登熟も順調に推移したことから作柄は平年以上となった。ただ、その他の地域では7月上中旬の低温・日照不足の影響で全もみ数がやや少ない地域があり、さらに8月中下旬の日照不足、台風による潮害、ウンカなど病害虫の影響もあり、西日本を中心に作柄が平年を下回った。ただ、作柄が食味にどう影響するかは一概に言えず、たとえば、作況指数58だった佐賀は「さがびより」が10年連続、「夢しずく」が3年連続で特Aを取得している。今回「特A」の産地品種を取得したのは28道県。
食味ランキングは良質な米づくりの推進と米の消費拡大に役立てるために昭和46年から始め今回で49回目。「特A」ランクは平成元年産から設定し初年度は13産地品種だった。その後、次第に増えて、今回は対象155産地品種のうち特Aが3分の1を占める。品種別では24品種でこのうち「コシヒカリ」が16産地と圧倒的に多い。
日本穀物検定協会は特Aが増えていることについて、各県で良食味米の品種開発が行われていることに加え、肥培管理の徹底、一定の要件を満たす生産者に栽培を限定している県の戦略などが要因ではないかとしている。各県が特A取得をめざした取り組みが定着しており、新たなランク設定や基準変更などを検討する考えはないという。
なお、食味ランキングの対象ではないが産地からの要望で食味試験を4産地品種で実施した。群馬(東毛)「いなほっこり」、山梨(峡北)「農林48号」、長崎「なつほのか」、鹿児島(県南)「なつほのか」でランクはいずれもAだった。
※右の令和元年産米で特Aにランクされた産地品種の表はクリックで拡大
(関連記事)
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