コメを食べて健康になろう グレイン・エス・ピーがシンポ開催2023年12月7日
(株)グレイン・エス・ピーは12月2日、東京都内で学術会議「コメを食べて健康に!」を開いた。
このイベントは農林水産省の令和5年度米需要創造推進事業として開催し、専門家による講演が行われた。会場に105人が参加したほか、オンラインで164名が視聴、米の機能や食べ方などへの関心の高さがうかがえた。新潟県農業総合研究所食品研究センター食品工学科の太養寺真弓専門研究員は「玄米の機能性と加工利用について」と題して講演した。
玄米は白米にくらべて食物繊維やビタミンEなどが多く、とくに高脂血症などを改善するγオリザノール、認知機能の低下防止に働くといわれるフェルラ酸などが豊富だという。
こうした機能を持つ玄米について「玄米粉」のニーズもあることから太養寺氏は製粉を研究し、パンや麺などに加工できることや、ライスペーパーなどに使えることも示した。
そのほか血糖値の上昇を抑えることができる難消化性デンプンの多い品種である新潟129号が開発されていることや、米マヨネーズの開発など、米の優位性を生かした食品加工の可能性を示した。
(一社)メディカルライス協会の渡邉昌理事長は「玄米の健康効果について」と題して講演した。渡邉氏は「玄米の特性はγオリザノールに尽きる」と強調し、脂質の吸収抑制だけでなく、腸内細菌叢の改善による免疫力の強化や脳に作用して満足感を与えることによって、食行動を変え肥満防止にもつながるという。「玄米で足るを知る脳へ」と渡邉氏は呼びかけ、玄米食による健康づくりが重要で学校給食の米飯給食も玄米食とすることなどを提起した。
そのほか(一社)平田炊飯研究所の平田孝一所長が玄米の炊き方を講演、そのなかで今後も予想される高温障害を受けた米は玄米で食べることによって、米生産を支えることになることを強調した。
プロスケーターの浅田真央の栄養管理を行っている(株)アルソア慧央グループ管理栄養士の手嶋早苗氏は和食メニューが栄養バランスを取りやすいことや玄米を使うと不足しがちな栄養素を食事で摂ることができるなどと話した。また、栄養管理士の伊達友美氏は相談者へのアドバイス例としてごはんをしっかり食べることで体重減を実現し、元気も取り戻した女性の話などを紹介し「米を食べて楽しく元気に」と話した。
会場からは日本の農業生産について「担い手の急激な減少で供給の維持も課題になる。日本人も腹を据えて、何が食べられるか考えたほうがいい時代」などの声も聞かれた。
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