【24年産米】10月の相対取引価格 過去最高の2万3820円(60kg)2024年11月20日
農林水産省は11月20日、24年産米の10月相対取引価格を公表した。全銘柄平均で60kg2万3820円となった。全農など全国出荷団体と卸売業者との相対取引価格を農水省が調査、公表するようになった2006年以来で最高の価格となった。
9月の相対取引価格より+1120円となり5%上昇した。前年同月比では+8639円で57%上昇した。
10月までの年産平均価格は2万3191円。価格形成センターで入札をしていた時代を含めれば、米の全国作況が74と大凶作となり米の価格が高騰し2万3607円となった1993年に次ぐ価格となった。
農水省によると集荷競争が激化したため、9月以降にJAが生産者に支払う概算金を追加で引き上げた銘柄が42銘柄あり、それが相対取引価格に反映された。
総務省が発表した10月の消費者物価指数(東京都区部)のうち、米類は160.8(2020年=100)と上昇している。パンは123.7、めん類は119.5。米類は9月に139.6と急上昇しパンやめん類より高くなった。
10月の取引価格でもっとも高かったのは茨城「あきたこまち」で60kg2万8209円。次いで北海道「ゆめぴりか」が2万7283円となった。
総務省が公表している小売物価統計によると、10月の5kg当たりの米の小売価格はコシヒカリで3787円で対前年同月比で+60.0%となった。一方、コシヒカリ以外の銘柄は平均で同3792円で同+70.4%だった。10月はコシヒカリとコシヒカリ以外銘柄の価格が逆転してわずかだが高くなった。
販売数量は27万4490tで対前月比で109%、対前年同月比160%で取引数量は増えている。
一方で消費者の米の購入は9月以降は前年を下回る水準で推移している。8月の買い込み需要の反動と見られ、10月28日~11月3日は対前年同期比▲10.4%、11月4日~10月は▲3.8%となった。年末にかけての販売動向が注目される。
一方、19日に公表された10月25日現在の主食用の予想収穫量は679万2000tと9月25日現在の予想より4万1000t下振れする見込みとなった。それでも前年産に比べ18万2000t増加する見込みのため農水省は「集荷競争は収まる方向ではないか」と見方を示す。9月末の1等米比率が77.3%と昨年より高いことなどから精米歩留まりなども今後の取引価格に影響しそうだ。
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