農薬・化学肥料不使用で栽培した山田錦使用 アップサイクル「甘酒」発売 秋川牧園2025年7月23日
秋川牧園は7月14日、山口市引谷エリアの耕作放棄地を活用して栽培した令和6年度産の酒米・山田錦を使った「甘酒」を新発売。秋川牧園宅配会員サービスと直売店(山口市仁保下郷)で販売を始めた。
秋川牧園 山田錦の甘酒
秋川牧園では、自社の主力事業である養鶏で発生した鶏糞堆肥を活用し、農薬・化学肥料を使わずに、年間およそ50品目の野菜を生産している。野菜栽培で培った、農薬・化学肥料を使わない栽培技術を生かし、2022年からホップを栽培し「秋川牧園ホップの豊かなビール」を販売。また、2024年には大麦を栽培し「秋川牧園大麦の旨みビール」を販売した。
やさしい甘さとさらりとしたのど越しが特徴
さらに、2024年に山口市の山間部・引谷エリアの耕作放棄地を引き受け、日本酒の原料となる山田錦を栽培。農薬・化学肥料不使用の山田錦をつかった日本酒の製造を予定していたが、収穫間近の9月中盤に大量のカメムシの食害や猛暑による胴割れ(米が割れてしまう現象)を受け、予定収量が収穫できずに日本酒の製造を断念せざるを得なかった。また、カメムシがつくと、「斑点米」と呼ばれる一部が黒く変色した米になってしまい、農薬・化学肥料を使わない栽培では、虫による被害が発生すると回避することがとても難しい。日本酒の製造には足らない米の活用法を検討する中、山口市で味噌・醤油などを製造する磯金醸造(山口市阿知須)の協力を得て、「甘酒」として商品化に成功した。
山口市の山間部・引谷の田んぼで山田錦を栽培
一般的なあまざけは、食用米で製造されるが、今回のあまざけは日本酒造りで活用される「山田錦」を使用。山田錦は酒造りに適している品種で、たんぱく質の含有量が食用米よりも低く、磯金醸造の磯金社長によると今回の秋川牧園・甘酒は「たんぱく質が少ないことが功を奏したさらりとした、夏の時期にもとても飲みやすいあじわい」。山田錦を使用したことが活かせた商品に仕上がっている。
甘酒は、ブドウ糖などビタミン、アミノ酸など実際の点滴に似た成分が含まれることから「飲む点滴」といわれる。氷を入れて冷たく冷やして飲むだけでなく、炭酸やヨーグルトで割って飲むことで、食欲が減退しがちな暑いこの季節の栄養補給におすすめ。
「秋川牧園 山田錦の甘酒」(300ml)は454円(税込)。
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