25年産米 収穫量746万8000t 9月予想より9000t下振れ2025年11月19日
農水省は11月18日、25年産水稲の作付け面積と10月25日現在の予想収穫量を公表した。
農水省によると10月25日現在の予想収穫量は、全国の調査ほ場8000のうち98%で刈り取りが終了した調査結果となった。ふるい目幅1.7ミリベースの予想収穫量は746万8000tと9月25日現在に比べて9000t減となった。10a当たり収量は547kgと前回調査と変わらない。前年産に比べると67万6000tの増加が見込まれている。
9月25日時点より予想収穫量が下振れしたのは、秋田県で8月から9月にかけての大雨による登熟への影響や、広い地域で白未熟粒やカメムシの発生によって収穫量としてカウントする1.7ミリに満たない米が増えためだという。
10月31日に示した主食用米の需給見通しでは25年産生産量を9月25日現在の予想収穫量をもとに748万tとしたが、今回の調査結果をもとに747万t下方修正しても、来年6月末の民間在庫量は214万t~228万tで2015年の226万tを上回り近年では最大量となる可能性があり、米価下落の懸念もある。
一方、生産者が使用しているふるい目幅(1.8ミリ、1.85ミリ、1.9ミリ)ベースの予想収穫量は718万1000tで前年産に比べ66万2000tの増加と見込まれる。
近畿以西では順調に生育し大きな粒が増加したころから、9月25日時点より2万8000t上振れした。全国の10a当たり予想収量は多くの地域で総じて天候に恵まれたため、526kgで前年産に比べ7kg増加と見込まれる。全国の作況単収指数は「102」の見込み。
地域別に生育状況をみると、10a当たり予想収量は北海道では前年産に比べ▲13kgの549kgとなった。6月上旬までの日照不足で全もみ数がやや少なくなったことが影響した。
東北、関東では穂数が少ない地域があるものの、6月下旬以降はおおむね天候に恵まれ多くの地域で全もみ数が前年以上に確保されたことから、東北は557kg(+1kg)、北陸は517kg(+7kg)、関東・東山は524kg(▲5kg)、東海は490kg(+16kg)となった。
また、前回調査では刈り取りが進んでいなかった近畿以西では、10月上中旬の天候に恵まれ、粒の肥大、充実が促進されたことなどから近畿は507kg(+19kg)、中国は518kg(+20kg)、四国は495kg(+24kg)、九州は492kg(+26kg)の見込みとなった。
白未熟粒が3.7%
農水省は今回初めて玄米品位について公表した。全国の調査ほ場で刈り取った水稲を生産者ふるい目で選別した玄米を穀粒判別器で分析した。
その結果、全国ベースで白未熟粒は3.7%、死米(粉状質で光沢がない部分が3分の2以上占める粒)は0.3%、胴割粒は1.1%、着色粒は0.2%だった。ただ、地域差も大きい。
農水省は過去の調査結果(2017年~2021年)を参考値として示し、それによると白未熟粒は2.8%となっている。農水省はデータを蓄積して精米歩留まりとの関係を検証していくとしている。
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