JA全中の畜酪対策 政策価格の引き上げ要請2013年1月18日
JA全中は「平成25年度畜産・酪農政策価格等に関する重点要請事項」を決めた。飛田稔章副会長(畜産・酪農対策委員会酪農委員長、JA北海道中央会会長)らは、これに基づき1月16日に自民党畜産・酪農小委員会に出席、17日に江藤拓農水副大臣を訪問するなど要請活動を行っている。畜産物政策価格と関連対策は25日に決定される見込みだ。
◆飼料価格高騰を反映した政策を
重点要請項目は、昨夏以来の配合飼料供給価格の高騰を受けて、「畜産・酪農経営が将来を展望できるよう、抜本的な経営安定対策の確立」が必要だとして、ほぼすべての補給金単価や支援水準の引き上げを要請している。
酪農関連では、加工原料乳生産者補給金単価は現行の1kgあたり12.20円を引き上げ、加工原料乳の限度数量は生産意欲増大をはかるため現行の183万tを基本に適切に決定するよう求めている。
また、チーズ向け生乳供給安定対策事業は、助成金対象数量60万トンに対し88億円が計上されているが、「この予算が使いきれない状態になっている。60万トンに対して50万トンまで達しないこともある。余っても使いきれるような制度にしてほしい」(飛田副会長は)と求めている。
肉用牛関連では、黒毛和種で31万円、乳用種で11万6000円などの肉用子牛生産者補給金保証基準価格、黒毛和種で38万円などの肉用牛繁殖経営支援対策事業、肉用牛肥育経営安定対策事業(新マルキン)の支援水準などの引き上げを盛り込んだ。
(写真)
17日、江藤副大臣(左)に重点要請事項を手渡す飛田副会長、田沼征彦JA岩手県中央会会長、山中勝義JA長崎県中央会会長。

◆政策価格など決定は1月25日
配合飼料価格について飛田副会長は、「価格が高止まりしている上、10円以上の急激な円安がすすみさらに高騰する恐れがある」と指摘し、「マルキンや配合飼料価格安定制度などは、地域と現場の実情にあった形に見直してほしい」と、江藤副大臣に要請した。
田沼征彦氏(同畜産副委員長、JA岩手県中央会会長)は「岩手県は原発事故の影響で、地元にあるエサがまったく食べさせられず、除染もすすんでいない。生産農家の苦しみをわかってほしい」と訴えた。
畜産物政策価格や関連対策は、24日に自民党畜産・酪農小委員会でも議論される。農水省は25日に食料・農業・農村政策審議会畜産部会に政策価格などを諮問、同日中に答申が行われ、決定される見込みだ。
JA全中では24日の自民党小委員会を山場とみて、そこに向けて同日、畜産・酪農対策委員会を開き政府・与党への要請などを引き続き行っていく方針だ。
また、自民党が25年度予算対策と制度変更をともなう対策とを分けて検討するとしていることから、JA全中では産地の実態を反映した畜産経営安定対策や配合飼料価格安定制度の変更などについては、26年度対策にむけて検討をすすめていくとしている。
(関連記事)
・東日本銘柄食肉が当たる「食べて応援」キャンペーン第2弾 1月11日から (2013.01.09)
・【JA全農畜産事業部特集】 飼料用米と飼料原料備蓄 長期的な政策が必要 (2012.12.27)
・酪農家の意欲につながる取り組みを強化 JA全農・宮崎幹生酪農部長に聞く (2012.12.26)
・【最新の飼料情勢】 需給は引き続きひっ迫状況 (2012.12.25)
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】果樹類にチュウゴクアミガサハゴロモ 農作物への被害に注意 愛知県2025年11月5日 -
農林水産物・食品の輸出額 1兆2000億円 1-9月 15.1%増2025年11月5日 -
米生産 現場は離農増を懸念 経営環境の安定化が急務 食糧部会2025年11月5日 -
コシヒカリ5kg5421円に 新米出回り「高値」拍車 10月の東京区部2025年11月5日 -
「愛ある農政」を求めて【小松泰信・地方の眼力】2025年11月5日 -
【異業種から見た農業・地域の課題】小さい農家も含めて守る発想が大事 地方創生は人材から 元日本生命・坂本博氏に聞く2025年11月5日 -
11月15日の農協研究会開催迫る 「准組合員問題にどう向き合うか」 参加者を募集2025年11月5日 -
JA貯金残高 107兆2325億円 9月末 農林中金2025年11月5日 -
ジビエを食べたい!買いたい!「全国ジビエフェア」開催 農水省2025年11月5日 -
鳥取県産梨「王秋フェア」 直営飲食店舗で11日から開催 JA全農2025年11月5日 -
宮崎県産ピーマン「グリーンザウルス」×【推しの子】コラボパッケージで販売開始 JAみやざき2025年11月5日 -
JAよこすか葉山の直売所から直送「すかなごっそ 季節の野菜セット」販売中 JAタウン2025年11月5日 -
【人事異動】日本製紙(12月1日付)2025年11月5日 -
相鉄沿線で街なか装飾追加、JR原宿駅で大規模屋外広告 2027年国際園芸博覧会協会2025年11月5日 -
第1回「リサイクルテック ジャパン」に出展 サタケ2025年11月5日 -
農業機械の新製品3機種を発表 2026年より順次発売 クボタ2025年11月5日 -
佐賀県太良町と包括連携協定を締結 タイミー2025年11月5日 -
「第66回下郷農協まつり」に出展 グリーンコープ生協おおいた2025年11月5日 -
「横浜地産地消月間キャンペーン」はっしーおすすめ賞品も 横浜市2025年11月5日 -
未来のアグリ「クマ対策支援チーム」を創設2025年11月5日


































