飲食店向けジビエセミナー開く2016年9月2日
(株)ぐるなびは9月1日、東京都内で飲食店関係者約30人を対象に「導入編ジビエセミナー」を開いた。日本ジビエ振興協議会の藤木徳彦理事長の講演や調理実演と料理もふるまわれた。
開会のあいさつでは、農林水産省鳥獣対策室の生玉修一課長補佐が、捕獲した鳥獣をジビエとして利活用するよう推進している現状について述べ「衛生面の徹底を行い、おいしい料理を提供してほしい」と期待を語った。
◆低脂肪やヘルシーさが魅力
ぐるなび大学の坂本克彦氏は、ぐるなびの統計からジビエ市場について解説を行った。
レストランの情報サイト「ぐるなび」の"ジビエ"の検索結果が年々増加していることをあげ、「トマト鍋などのブームのときと同じ傾向がある」と指摘。特に秋冬は季節柄、ジビエの検索件数が多いことも取りあげ「店の差別化につながるのでは」とジビエ料理を評価した。
消費者のニーズについて、アンケートの統計から、名前だけ知っているという人は77%。ジビエを食べたことがある人は36%で、そのうち73%は「また食べたい」と答えているという。
ジビエについてのイメージは「臭みがある」「味に癖がある」と答えた人が多いながらも、「希少性」「低脂肪」「ヘルシー」といった魅力を感じている人がいることも指摘。飲食店経営者らに、こうした魅力や「気軽さ」などを使ったキャッチコピーを考えると良いのではと提案した。
また、すでにジビエを提供している飲食店へのアンケートでは、客のターゲット層について「ジビエ好き」「日常的に外食する習慣がある」「肉好き」「グルメな人」という回答が多かった。
ジビエを扱う上での問題点では「価格が高い」という回答が最も多かった。
そのうえで、坂本氏は「ジビエについて、『生で食べてはいけない』など正確な知識を持っていない店もある」と話し、衛生管理などの面での重要さを説いた。
◆ジビエの知識が店を守る
日本ジビエ振興協議会の藤木理事長は、ジビエの供給ルートや提供ルールについて講演した。
鳥獣の捕獲から処理施設までの流れ、捕獲された鹿のうち95%が廃棄されていることなどを話し、昨今ジビエとして活用する取り組みが増加している背景について話した。また家畜で扱われる肉とジビエとの違いを、生産過程や法律などの視点からも語った。
ジビエ肉は寄生虫やウイルスを保有していても目で確認できないため、注意する点が多くある。▽必ず加熱調理(肉の中心温度が75℃で1分以上など)、▽食肉処理業の許可を受けた施設からの仕入れ、▽トレーサビリティなど情報確認、▽調理・加工後の殺菌(83℃以上の熱湯など)などをあげた。
同氏は「提供者側の責任となるので、注意が必要だ」と強く訴えた。
◇ ◇
調理実演では、藤木理事長が「肉のにおいを覚えてほしい。この肉と違った異臭がしたら、それは扱わないでほしい」と話し、飲食店経営者らに調理に使う鹿肉を回すなど、店舗で実際に調理を行う際に必要となる知識を体験型で伝えた。
(写真)坂本克彦氏の講演、藤木理事長による実演、理事長の調理・解説を真剣に見つめる飲食店経営者ら
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