植物工場の野菜で協定 JA東西しらかわと「牛繁」2015年10月26日
植物工場を運営する福島県JA東西しらかわは26日、焼き肉チェーンの「牛繁」(「牛繁ドリームシステム」・本社=東京都新宿区)に野菜を供給する事業協定を結んだ。同JAはこれを弾みに、植物工場産の野菜の販路を拡大する考えだ。
JA東西しらかわの植物工場(みりょく満点やさいの家)は、東京電力福島原発事故の風評被害からの復興を目指して、平成24年度東日本大震災生産対策交付金事業で建設し、同年末から操業を開始した。密閉式人工光型水耕栽培で、1日3000株の生産能力を持つ。
今回、事業協定を結んだ「牛繁」は、首都圏を中心に123店舗を展開する。同社はこれまで焼き肉用のサンチュを卸売市場を通じて仕入れていたが、天候に左右されやすく安定した確保に苦労していた。
植物工場のサンチュは従来のものに比べてえぐみがなくて柔らかく、色つやもよいため、今年の6月からテスト販売していた。この結果、客の苦情が一件もなく、特に肉と同じ量の野菜が食べられるとして女性に好評だった。このためJAと共同で改良を加えて品質を安定させ、増産体制を整え、今月27日から全店での使用を始めることにした。
一方JAは、これまで植物工場の野菜の半分を販売していた契約会社が倒産し新たな販路を求めていた。JA東西しらかわの鈴木昭雄組合長は「原発事故の風評被害は、いぜん払拭しきれていない。この中で植物工場が農業の元気を取り戻す起爆剤になればと思っている。その意味で今日が、新しいマーケティングの第一歩だ」と、一層の市場開拓に意欲を示す。
牛繁ドリームシステムの高田昌一社長も「農協との取引きは初めてだが、計画生産で安定供給できる植物工場の野菜をさらに拡大したい。将来は肉の取り引きもで考えたい」と抱負を述べた。
(写真)握手を交わすJA東西しらかわの鈴木組合長(左)と「牛繁」の高田社長(JA東西しらかわ本所で行われた調印式で)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(164)-食料・農業・農村基本計画(6)-2025年10月18日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(81)【防除学習帖】第320回2025年10月18日
-
農薬の正しい使い方(54)【今さら聞けない営農情報】第320回2025年10月18日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第114回2025年10月18日
-
【注意報】カンキツ類に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 高知県2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(1)2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(2)2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(3)2025年10月17日
-
25年度上期販売乳量 生産1.3%増も、受託戸数9500割れ2025年10月17日
-
(457)「人間は『入力する』葦か?」という教育現場からの問い【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月17日
-
みのりカフェ 元気市広島店「季節野菜のグリーンスムージー」特別価格で提供 JA全農2025年10月17日
-
JA全農主催「WCBF少年野球教室」群馬県太田市で25日に開催2025年10月17日
-
【地域を診る】統計調査はどこまで地域の姿を明らかにできるのか 国勢調査と農林業センサス 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年10月17日
-
岐阜の飛騨牛や柿・栗など「飛騨・美濃うまいもん広場」で販売 JAタウン2025年10月17日
-
JA佐渡と連携したツアー「おけさ柿 収穫体験プラン」発売 佐渡汽船2025年10月17日
-
「乃木坂46と国消国産を学ぼう!」 クイズキャンペーン開始 JAグループ2025年10月17日
-
大阪・関西万博からGREEN×EXPO 2027へバトンタッチ 「次の万博は、横浜で」 2027年国際園芸博覧会協会2025年10月17日
-
農薬出荷数量は0.5%増、農薬出荷金額は3.5%増 2025年農薬年度8月末出荷実績 クロップライフジャパン2025年10月17日
-
鳥取県で一緒に農業をしよう!「第3回とっとり農業人フェア」開催2025年10月17日
-
ふるさと納税でこどもたちに食・体験を届ける「こどもふるさと便」 IMPACT STARTUP SUMMIT 2025で紹介 ネッスー2025年10月17日