基礎利益2000億円増-JA共済連 29年度決算2018年7月30日
JA共済連は7月27日に通常総会を開き平成29年度決算を承認した。熊本地震が発生した前年度にくらべて危険差収支が大幅に改善したことから基礎利益は2024億円増加して27年度と同水準の7463億円となった。
(写真)会場のようす
29年度の新契約高の状況は、生命総合共済(生命・医療系・介護・年金共済合計)は、件数90万5000件、保障共済金額2兆5718億円となった。対前年比は件数が54.1%、金額が38.7%と減少した。
一方、建物更生共済は件数162万4000件、保障共済金額29兆4965億円となった。対前年比は件数が168.0%、金額が268.3%と大幅に伸びた。その結果、合計の保障共済金額は32兆683億円で同181.8%となった。
JA共済連によると、建物更生共済の実績は29年4月の仕組み改訂の効果が現れたとしている。一方で生命総合共済の新契約高の前年度比減については「建更獲得に力を入れたため余力が回らなかった」としている。
自動車共済は件数833万2000件(同101.1%)、共済掛金(連合会が収納した共済掛金)2846億円(同101.3%)となった。
生命総合共済と建物更生共済を合わせた保有契約高(保障共済金額)は259兆9455億円となり同97.3%となった。生命総合共済の契約減が影響した。
解約・失効率は生命共済2.63%(同2.99%)、建物更生共済3.45%(同3.66%)となった。
共済金の支払いは事故共済金が8957億円で同87.8%となった。前年度は熊本地震の発生により支払い額が増えたため。満期共済金は2兆3912億円(同98.3%)となった。
損益の状況は直接事業収益が4兆5725億円(同76.7%)、財産運用収益が1兆884億円(同102.3%)となった。直接事業収入の減少は貯蓄性の生命総合共済の契約減などによる掛金収入減少が影響した。
(写真)あいさつする市村幸太郎・経営管理委員会会長
一方、直接事業費用は4兆9544億円(同104.5%)となった。この結果、経常利益は2193億円(同115.5%)、当期剰余金は1149億円(同133.6%)となった。
基礎利益は2024億円増の7463億円となった。熊本地震が発生した前年度より危険差収支が大きく改善したため。これは共済事業本来の期間損益を示す指標で、経常利益から有価証券売却損益などのキャピタル損益と異常危険準備金取崩額などの臨時損益を差し引いて算出される。
また、生命総合共済については低金利が続くなか、利差収支の改善に向け責任準備金の特別積立てなどを実施。巨大災害リスク、価格変動リスクなどに備えるため、各準備金の積み増しも実施した。
出資配当率は公社債等の利回り低下や事業環境をふまえ1.80%から1.75%に引き下げ。事業分量配当金は建更の新契約が好調だったことから引き上げた。
支払余力(ソルベンシーマージン)比率は再保険担保額増加に取り組むなどリスクの合計額が減少したことから、144.5ポイント増加して1043.0%となった。
29年度はタブレット型端末「Lablrt's」の活用促進や世帯訪問活動の徹底に取り組んだほか、28年度に創設した「地域・農業活性化積立金」を活用した地域貢献活動に2400件あまりの取り組み実績をあげたほか、担い手経営体への保障提供のための農業者賠償責任保険(加入者7099名、同116.6%)、農業応援隊(契約件数460件、同259.9%)などの提供にも取り組んだ。
(関連記事)
・建物更生共済受付件数2万6354件に(18.07.27)
・豪雨被害を激甚災害に指定-政府(18.07.25)
・大阪北部地震建更受付件数2万6171件 JA共済連(18.07.20)
・平成30年7月豪雨損害状況 JA共済連(18.07.20)
・JA共済支える優績LAを表彰 JA共済連(18.07.12)
・優績ライフアドバイザー795名を表彰 JA共済連(18.07.06)
重要な記事
最新の記事
-
石破首相退陣に思う JAトップと野党議員が語る農政の課題2025年9月11日
-
米の収量で作況に代わる新指標 5年中3年平均値対比 農水省2025年9月11日
-
納豆汁、鯨汁、菊の花のお浸し-山形内陸の食-【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第355回2025年9月11日
-
見かけは盛んな花の研究ですが...【花づくりの現場から 宇田明】第68回2025年9月11日
-
水稲の斑点米カメムシ類 1道2府32県で注意報 病害虫発生予報第7号 農水省2025年9月11日
-
「JA島原雲仙フェア」 みのりカフェ長崎駅店で11日から開催 JA全農2025年9月11日
-
身近な交通事故を可視化した「交通安全MAP」を公開 特設サイトも開設 JA共済連2025年9月11日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第113回2025年9月11日
-
自然再生をめざす金融アライアンス 新たな指針と技術集を公開 10月9日にシンポジウム 農林中金2025年9月11日
-
【組織改定・人事異動】デンカ(9月10日、10月1日付)2025年9月11日
-
三重県いなべ市の塩崎圃場が有機JAS「有機農産物」認証取得 KIMOTOファーム2025年9月11日
-
国内ポリオレフィン事業の競争力強化へ基本合意 三井化学、出光興産、住友化学2025年9月11日
-
ぶどうのまちで楽しむ収穫の秋「第33回 巨峰の王国まつり」開催 長野県東御市2025年9月11日
-
「初めて聞く農業者向け 農福連携セミナー」オンラインで開催 日本農福連携協会2025年9月11日
-
「AIエージェント×AI/DXフォーラム~農業」25日に開催 AIデータ社2025年9月11日
-
発売5年目の『無限シリーズ』リニューアル ひと口サイズも発売 亀田製菓2025年9月11日
-
農業プロジェクト『UTSUNOMIYA BASE』主催夏祭りイベント 宇都宮で開催2025年9月11日
-
熱中症対策をサポート「涼しい時間帯」に特化した農機具レンタルプラン開始 唐沢農機2025年9月11日
-
相鉄ブランド野菜「そうてつとれたて便」販売開始「貨客混載」輸送も実施2025年9月11日
-
新潟県津南町でカーボンクレジット地産地消モデルを実現 フェイガー2025年9月11日