リーダーシップ発揮を JA全中が新任常勤理事研修2018年9月5日
JA全中はさきごろ、東日本と西日本地区で平成30年度JA新任常勤理事研修会を開き、JAの使命と常勤理事の役割について研修と意見交換を行った。このなかで、東日本地区で長野県JA上伊那の前専務理事の牛山喜文氏、西日本地区で広島県JA広島中央の佐伯隆弘氏がそれぞれのJA改革の取り組み、常勤役員の役割について話した。
JA上伊那には、大正3年創立の上伊那地区一本とした組合製糸「竜水社」の伝統がある。牛山氏は「協同こそ弱い立場にある者の生きる道であることを先人から学ぶことができる。今日、上伊那全地区に組織されている集落営農組織の根底には、自分たちの地域や農業を自ら守ろうとする協同の心と、共に助け合う精神が生きている」と、上伊那地区の協同組合運動の歴史を振り返る。
その上でJAの経営者として、(1)組合員の代表として初心を忘れず、強いリーダーシップを発揮する、(2)わがJAの現状をしっかり認識する、(3)わがJAの長所と短所をしっかりつかむことの重要性を強調。「JA綱領にある『協同の理念を学び、実践を通じて共に生きがいを追求しよう』の主旨を理解し、真の協同組合運動者を目指したい」と訴えた。
またJA広島中央は「家族の繁栄なくして農協の発展なし」を基本理念に「喜ばれることを喜びとする組織を目指す」ことを行動指針として活動。特に「JA自己改革は協同活動運動」として、組合員の声を聴く活動、支店ふれあい活動、外務活動の体制強化などを重点的に取り組んでいる。
その上で常勤役員の役割として佐伯氏は、(1)強力なトップダウン、(2)強いリーダーシップ、(3)職員の発想を大切にする、を挙げる。特に「経営者は明確なビジョンを掲げ、すべての職員は渉外であり、広報担当だという自覚と当事者意識を育てることが重要」と職員教育の重要さを強調した。
なお研修会は東日本が8月9、10日横浜市で、西日本が7月25、26日福岡市で開かれ、東日本では中家徹・JA全中会長、西日本では金原壽秀・同副会長が「JAの使命と常勤役員の役割」で基調講演。また、同じく東日本で野中郁次郎・一橋大学名誉教授、西日本で永田晃也・九州大学教授が「変革期におけるリーダーシップの発揮と組織づくり・人づくり」で話した。
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