コロナ禍 米需要減を懸念 国の緊急対策必要-JA全中2021年7月16日
JA全中の中家徹会長は7月15日の定例会見で2021年産米の取り組みで主食用米以外への作付け転換をより一層進める、いわゆる「深堀り」は進んでいるとの見方を示す一方、コロナ禍での需要減による在庫については国による対策が必要との考えを示した。
2021年産主食用米は前年産より作付けを6万7000ha減らすことを目標に取り組み、4月時点で農水省は3万7000haまで積み上がったと推計した。
営農計画書の提出は6月末で締め切られ、どの程度まで作付け転換が進む見通しなのか注目される。
そうしたなか中家会長は「主産地をはじめ産地で深堀が進んでいると感じている」との認識を示した。
一方で「コロナ禍が需要減の大きな要因。なかなか収束しないなか、さらに緊急事態宣言が発令され、ますます需要そのものが減少するのではないかという思いがしている」と需要減を懸念した。
JAグループは2年産米在庫の緊急対策を求めている。
その理由について馬場利彦専務は「コロナの影響で外食産業での需要が減少しているとみているが、飼料用米への転換など作付け削減の取り組みはそうした需要減の影響を見ていない」と指摘、「結果として予期せぬ需要減というかたちで2020年産の在庫が積み上がっている」として「政府による緊急対策が必要だ」と強調した。具体策は今後の議論だが、7月末に予定されている食糧部会には21年産の作付け見込み面積や6月末の在庫量などが示される。中家会長は「注視していきたい」と話した。
また、大阪の堂島商品取引所は、現在試験上場となっている米の先物取引を本上場したい考えを表明している。
これについては「生産者、JAのためになるのかという視点で考える必要がある。堂島商品取引所の動きも分からないので、政府や与党の議論を注視していきたい」と述べた。
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