米の在庫対策 「特別措置を」-中家JA全中会長2021年10月8日
JA全中の中家徹代表理事会長は10月7日の定例会見で米の在庫について「十分な特別措置」で「販売環境を改善していただきたい」と国の対策を求めた。
10月4日に就任した岸田総理に対して中家会長は「総裁選のときに新自由主義の転換、食料安全保障の強化、多様な豊かさを持つ農業・農村の実現を公約に掲げた。これを内閣挙げて実現をしていただきたい。現場に寄り添った力強い農政の推進を強く期待している」と述べるとともに、金子農相について「県知事や農林幹部として地方の現場を十分熟知されていると思っている。現場に寄り添った農政を。課題山積だが、農は国の基であることを忘れずに政策を展開してほしい」と期待した。
米の需給状況については「コロナ禍の影響もあって相当厳しい状況になっている。積み上がっている在庫の問題には、コロナ対策としてなんとか十分な特別措置を講じて、販売環境を改善していただきたい」と対策を求めた。
金子農相は米の需給環境を改善する対策として「米穀周年供給事業」の拡充で対応する考えを示しているが、それで対策は十分かとの質問に、中家会長は「最終的な方向はまだ見えていないので今の段階では答えられない」との答えにとどめた。
また「4年産に向けても相当の(主食用米からの)転換を余儀なくされるのではないかと思っている」との認識を示し、「これについても農家の所得が減収にならないよう万全の予算措置を講じていただきたい」と対策を求めた。
今後の米政策への対応については「今後もやはり消費は減退することになると思っている。われわれは常に需要に見合った生産量に取り組んできた。引き続き来年度以降も相当の転作、とくに飼料用作物、一方では不足している農産物もある。そういう方向に大きく転換する必要があると思っている。それに対しては安定した所得を確保するために措置が必要だ。
政策そのものを大きく転換するというよりも、今の流れにどう対応するかが重要だと思っている」との考えを示した。
今月に行われる総選挙での論戦には「農業、農村は疲弊して生産基盤が非常に弱くなっている。改めて食を中心にしてほんとうにこれでいいのかということを議論していただきたい。われわれが国消国産といっているのはまさにそのこと。自給率の向上も含め将来も安定的に食料を供給していくという視点から10年、20年という長いスパンで食料の安定供給について議論してもらい農業の大事さ、必要性を議論のなかで理解してもらいたい」と強調した。
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