【年頭あいさつ 2026】国際協同組合年機に反転 村上光雄 (一社)農協協会会長2026年1月2日
JAcomでは、新年にあたり農林水産大臣をはじめ、JAグループ全国組織や農業関連団体のトップによる年頭あいさつを順次掲載する。食料安全保障の確保や農業を取り巻く環境の変化など、重要な課題が山積する中で、2026年に向けた各団体の考えと決意を伝える。
村上光雄 (一社)農協協会会長
新年あけましておめでとうございます。
昨年も農協協会の諸事業に対しまして、ご理解とご支援ご協力を賜り、誠にありがとうこざいました。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
さて昨年はトランプ旋風が吹き荒れ、世界中が身勝手な関税政策に振り回され、大きな被害をこうむり、その脅し戦略は止まりそうにありません。一方我が国は戦後80年の節目の年を迎え、初の女性首相の高市内閣が誕生しました。しかしその政策はアベノミクスの復活で円安に歯止めがきかず、物価はさらに高騰、日本売りはとどまりそうにありません。
また令和の米騒動は江藤農相から小泉農相そして鈴木農相へと一年間に三人の農相という異常事態に発展しました。そして人事が混乱すれば政策も混乱し、非常事態に備えた備蓄米が価格高騰対策に流用され、しかも競争入札であるべきものが随意契約で米をジャブジャブにして増産から減産へそして今はお米券でごたごたとまさに猫の目農政ここに極まりであります。私は昨年秋、村田武先生のイタリア、ドイツ農村スタディーツアーに参加し、意識的に日本のような耕作放棄地はないか目をこらしてみたが、急傾斜地から農地の隅々まできれいに整地され、農地はしっかりと管理されていました。そしてEU農政が小さい農家もしっかりと守り農地、環境を大切にする政策を展開していることを確認しました。
それに引き換え、我が国農政は小農を切り捨て、大規模化オンリーで、挙げ句の果てが山間、中山問地域は空き家と耕作放棄地、集落は崩壊し里山はケダモノの棲家と化し、ついに熊が市街地まで出没しだしてクマ騒動である。これでは美しい日本どころの話ではない。これまでの農政が何であったかを検証し、見習うべきはアメリカ型ではなくE U型農政であり、 EUなみの農業所得補償であります。
そして昨年は二回目の国際協同組合年であり、いろんな催し物が開催され、そして何より5月の第217通常国会で「国際協同組合年に当たり協同組合の振興を図る決議」が採択されたことは大きな前進でありました。
それにつけても昨秋訪れたドイツのライファイゼン生家ミュージアムで地元の人たちの子供たちにも分かりやすいようにライファイゼンの人形にしゃべらせたりしてその業績を伝承していこうとしている真摯な姿に接して考えさせられた。彼らに比べ我々はライファイゼンの「一人でできないことも、みんなでやればできる」「一人は万・人のために、万人は一人のために」の協同の基本理念、協同組合の重要性の伝承、啓蒙、普及が不足しているのではないかと反省させられそして改めてそのことを粘り強く訴えていかなければならないことを痛感した。国際協同組合年はこれで終わりではなくこれからであります。
また昨年、JAグループにとって全中、農中の多額の損失が計上されたこのことは誠に遺憾であり、残念でならない。しっかりと検証し、新しい体制の中で全国連は何ができるのか、何をしなければならないのかをよくよく検討して健全かつ信頼される全国連であってほしし)。
こうして迎えた新しい年でありますが、トランプ旋風は変わらず日中関係も改善されそうにはありません。そして米価は下落し備蓄米の買い戻しが争点となりそうであります。このように何一つ明るい展望は開きそうにありませんが、このような時こそうライファイゼンの協同の原点に立ち返り、共に助け合える協同の社会づくりに粘り強く取り組んでいかねばなりません。
協会としても紙媒体が斜陽化するなど厳しい経営環境が続いていますが、新たな時代に対応したい事業展開を図るとともに、農協人としての良心と心意気を発信し続けてまいります。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
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