JAの活動:プレミアムトーク・人生一路
【プレミアムトーク・人生一路】佐久総合病院名誉院長 夏川周介氏(下)分割再構築に奔走(1)2026年2月16日
農村医療と佐久総合病院の歴史は長い。名誉院長の夏川周介氏は病院の持続可能性に尽力した一人だ。3回シリーズ最後は「分割再構築」に焦点を当てた。聞き手は文芸アナリストの大金義昭氏。
佐久総合病院名誉院長 夏川周介氏
――夏川さんは佐久総合病院の歴史をほぼ四半世紀ごとに3分割して捉えています。1944~69年までの「創生・成長期」、1994年までの「発展・成熟期」、そして1995年以降の「再構築期」です。その第3期で夏川さんは94年から副院長を9年、院長と統括院長をほぼ10年、合わせて20年近くトップマネジメントの立場から病院経営に携わってきました。今回は院長就任の直前から病院の「分割再構築」に関わる経緯を伺います。
病院の新増築で7階建ての建物ができたのは68年5月。それ以後、従業員が3倍近くに増え、医師はいても診察室が足りなくなりました。当初は「救命救急センター」の指定を受けたので、救命救急棟の増改築をしようという話になり、予算は数億円でした。ところが外来棟も増やさなければならない。リハビリや緩和ケアの病棟も必要になって、何にでも使えるようにと新たな病棟を一つ作ったのです。そして前述した通り、ついでに将来を見越して屋上ヘリポートの土台も立ち上げておいたのですが、わずか1年後に国の補正予算で「救命救急センター」のヘリポートには全額補助が出ることになり、"渡りに船〟とばかりに"即設置〟しました。
米国に視察に行き、99年に「日帰り手術センター」を長野県で初めて作ったことも今につながっています。当初の予算にはない施設を次々と作るから、長野県厚生連も驚いて、私は"夏川建設〟と呼ばれるようになりました。(笑)
"責任ある決断"
――医療ビッグバンの渦中にあって"弥縫(びぼう)策〟ではダメだと?
「今やるしかない!」と。一度だけ若月俊一先生から「お前、それで大丈夫かい?」と聞かれたことがあります。「ガツン」とやられていたら、縮んでいたかもしれませんが!(笑)。忙しかったけれど、やりがいはありました。自分で判断し、それが形になっていくわけですから、"責任ある決断〟が厳しく求められました。
2001年に新設した「美里分院」は、慢性精神疾患と認知症の専門施設です。ペイしないと分かっていましたから、立派な設計図を描いた設計会社と何度も交渉し、廊下の1センチまで削りました!(笑)。不満を抱いた従業員や関係者もいたようですが、建設経費を3分の2に圧縮し、初年度から黒字になりました。それでも10年しか持ちませんでした。精神科の患者さんも、施設に入れておくような時代ではなくなったのです。空いた施設は「老健」に転用し、元の「老健」は精神科病棟にして旧の精神科病棟はすべて撤去しました。
――院長に指名された時は?
方向性がはっきりし、それまでもやるべきことはやってきましたから、自然な流れで受け止めました。
――病院の「分割再構築」はめずらしい。
この構想を病院運営会議で公表したのは2002年、清水茂文院長の時でした。眼目は「機能分化」で、急性期医療(入院機能)と慢性療養期医療(外来機能)とを大きく二つに分けることでした。そうすると保険点数も上がるのですが、条件がありました。外来に来る患者さんの6割以上が、開業医からの紹介状を持って来ることです。日本の医療は在院日数が長く、ベッド数だけが増えていました。それを改革しようとしたのが2001年施行の第4次医療法改定で、それに対応した改革でした。
もう一つは、佐久病院が地域の周縁地にあったことです。にもかかわらず、規模だけ大きくなった。やはり規模に応じた周辺人口やアクセスの問題があります。そこで「東信地域の中心に新設しよう!」といろんな場所を見て回りました。
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