JAの活動:JA緊急アンケート
農協の医療・福祉事業の維持を【コロナ対策に学ぶ(6)】2020年9月8日
ミニサービスによるJAの高齢者福祉
病院利用者6割減る
新型コロナウイルス感染症に関する緊急アンケートでは、「介護・デイケア等の利用者」を調査した。結果は、前年同期の4、5月と比較して63.8%のJAで減少。その減少した中でも「10%以下」減少31.0%、「51%以上」減少6.9%だった。
また、「厚生連病院での影響と必要な支援」を調査したところ、主な内容は、(1)医師不足の影響懸念、(2)最前線で働く医療従事者への支援、(3)医療支援(募金活動・食糧支援)、(4)経営悪化への支援(経営融資、経営支援積極的に利用を推奨する、厚生連の巡回バスに助成金検討、農協グループの募金運動、今後出資の増額支援、国の支援を求める)などだった。でも、残念ながら、厚生連病院へのアンケートは実施されなかった。
コロナ対策でも一翼
農協病院(厚生連病院)では、全国に107病院 、59診療所 、介護老人保健施設 33施設 、 特別養護老人ホーム 9施設、訪問看護ステーション 99施設 、 地域包括支援センター 19施設、生活習慣病検診車 190台、 へき地巡回診療車 46台 (平成31年3月31日現在)を有し、医師 4980人、看護職 2万7203人、薬剤師 1354人、医療技術職員 9662人、事務職・その他 1万1432人を有し、(1)保健事業、(2)医療事業、(3)高齢者福祉事業を実施(平成29年4月1日現在、都道県郡厚生連33、全国連3)。コロナウイルス感染症での医療活動もしている。
実は、こうした発展のきっかけとなり、全国の農民医療運動の先覚的役割を果たしたのが、私が住む青森県の農協病院であったことは意外と知られていない。日本最初の広域医療利用組合病院は、青森県青森市の利用組合東青病院(昭和3年設立、後に東青農協病院、現在は青森市民病院)を参考にして設立したものであった。最盛期の青森県農協厚生連は、8病院と7分院、20診療所の161市町村の区域と組合員4万人の県下に網の目をはりめぐらすように発展したが、昭和33年に経営困難等の理由から、市町村の国保基幹病院として一括譲渡された歴史を持っている。
命を守る最前線に
まさに農協病院の取り組みは、農協による命を守る最前線の取り組みである。医療の最前線で奮闘している農協病院の医療関係者に対する、同じ仲間である全国的な支援・応援を、農協組織一丸となった取り組みが求められている。
命の最前線で、自らの命を懸けて新型コロナウイルス感染症と戦っている農協病院の医療関係者は、自分たち農協の同じ仲間であることを再認識する必要がある。そして、農協は、仲間同士による助け合いの協同組合であることを強く意識したい。先に紹介した青森県での過去においては、病院経営で農協病院の維持・継続ができなくなった史実を、今回のコロナ過で繰り返さないようにしたい。
医療従事者への支援を
全国の農協組織をあげての最前線で働く医療従事者への支援、医療物資支援、国・地方公共団体や企業・個人等への支援要請、そして人的支援・事業拡大支援・資金支援等の病院経営の維持・発展に向けた支援に取り組まなければならない。
(関連記事)
JA緊急アンケート
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(150)-改正食料・農業・農村基本法(36)-2025年7月12日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(67)【防除学習帖】第306回2025年7月12日
-
農薬の正しい使い方(40)【今さら聞けない営農情報】第306回2025年7月12日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 茨城県2025年7月11日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 新潟県2025年7月11日
-
【注意報】果樹に大型カメムシ類 果実被害多発のおそれ 北海道2025年7月11日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 福島県2025年7月11日
-
【注意報】おうとう褐色せん孔病 県下全域で多発のおそれ 山形県2025年7月11日
-
【第46回農協人文化賞】出会いの大切さ確信 共済事業部門・全国共済農協連静岡県本部会長 鈴木政成氏2025年7月11日
-
【第46回農協人文化賞】農協運動 LAが原点 共済事業部門・千葉県・山武郡市農協常務 鈴木憲氏2025年7月11日
-
政府備蓄米 全農の出荷済数量 80%2025年7月11日
-
【'25新組合長に聞く】JA加賀(石川) 道田肇氏(6/21就任) ふるさとの食と農を守る2025年7月11日
-
【'25新組合長に聞く】JA新みやぎ(宮城) 小野寺克己氏(6/27就任) 米価急落防ぐのは国の責任2025年7月11日
-
(443)矛盾撞着:ローカル食材のグローバル・ブランディング【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月11日
-
【2025国際協同組合年】協同組合の父 賀川豊彦とSDGs 連続シンポ第4回第二部2025年7月11日
-
米で5年間の事前契約を導入したJA常総ひかり 令和7年産米の10%強、集荷も前年比10%増に JA全農が視察会2025年7月11日
-
旬の味求め メロン直売所大盛況 JA鶴岡2025年7月11日
-
腐植酸苦土肥料「アヅミン」、JAタウンで家庭菜園向け小袋サイズを販売開始 デンカ2025年7月11日
-
農業・漁業の人手不足解消へ 夏休み「一次産業 おてつたび特集」開始2025年7月11日
-
政府備蓄米 全国のホームセンター「ムサシ」「ビバホーム」で12日から販売開始2025年7月11日