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JA全中中央SP

JAの活動:守ろう都市農地! 指定期限迫る「特定生産緑地」

【インタビュー】城田恆良JA全中都市農業対策委員長(JA東京中央会代表理事会長) 多面的機能都市部こそ2021年12月1日

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特定生産緑地の取り組みを進めるため、JA全中の都市農業対策委員会では、三大都市圏特定市のJAでは組合員に特定生産緑地への指定を最重点課題だと提起した。同委員会の城田恆良委員長(JA東京中央会代表理事会長)に特定生産緑地制度の意義や都市農業が果たすべき役割、今後の取り組みのポイントなどを聞いた。

城田恆良JA全中都市農業対策委員長(JA東京中央会代表理事会長)城田恆良JA全中都市農業対策委員長(JA東京中央会代表理事会長)

地域と共生 制度が契機

--今日は生産緑地制度が制定された当時を振り返りながら、制度の意義や都市農業に与えた影響などもお聞かせください。

私が農業を始めたのは36歳です。サラリーマンをやっていましたが、父親が体調を崩したのがきっかけで継ぎました。

生産緑地制度は平成3年に制定されて4年から施行されました。当時、私は世田谷の旧砧農協の青壮年部副部長だったと思います。法律が制定されてから施行されるまでの期間が短かったため、生産緑地制度についてみんなあまりよく考える時間がありませんでした。そこで仲間にはできるだけ生産緑地指定を受けたほうがいいと説明する努力をしたことを覚えています。

指定を受けないという農家もいました。というのもまだ親世代が中心でしたから、指定期間が30年となると子どもたちにまで農業をやらせられるか? と迷う人もいたからです。

確か申請率は6割程度だったと思います。ところが指定しないと次の年から固定資産税が上がってくるので、それで驚いた人たちが追加申請をしてほしいと行政に働きかけました。

当時の農地は垣根やブロック塀で囲まれていました。今のように近隣の住民のみなさんが畑のなかに入ってくることができる時代ではなく、私はなぜこんなに隠れて農業をやらなければいけないのか、と思っていたものです。

ところが生産緑地に指定するには道路から農地が見えなくてはならないということですから、ブロック塀などを取り払いました。私たちは地域住民に理解が広がらないとこの先、東京で農業はできないだろうと考え、いろいろなコミュニケーションをとるようになりました。東京の農業を知ってもらう必要があるだろうと思い、畑の見学会を企画したり、学校への出前授業もこのときから始めました。

地元の魅力 直売で発信

地元の世田谷区では、平成に入ってから人口が大変増えました。近所に農地があって環境が良いと喜ぶ人も多く、ここで作った農産物を食べてみたいという人が増えてきて、畑の隣に直売所を作るようになりました。こうして直売所がずいぶん増えてきたという印象があります。

直売所で買ったものを食べると、地場産はとれたて新鮮でおいしいと評判になり、JAも直売所を開設するようになっていったわけです。地元の行政も農業や地域環境に理解を示すようになり、よい流れになったことを思い出します。今では機械化も進み、農家以外でも農業をやりたいという人も出てくるなど、変わったと思います。

指定のメリット 理解を

--生産緑地制度は都市の生産者の営農継続はもちろん、この制度がきっかけとなって地域住民にとっても農業の大切さを理解することにもつながり、地域の農業を活性化させることになったということですね。今回の特定生産緑地制度のポイントはどこでしょうか。

今は世の中全体がエコや自然回帰のような意識が高まるようになってきましたが、やはり農業者として安心して農業ができるという制度が根底にないと続けられません。

今回の特定生産緑地制度は10年で見直しができる制度であり、私たちにとっては良い制度ができたと考えています。相続税納税猶予制度も活用できますし、また自作が困難な場合は貸借円滑化法を活用して一定条件のもと貸すこともできます。逆に言えば、もっと農地がほしいという人は生産緑地を借りることもできるという制度です。

こうした仕組みを十分に踏まえて今回の特定生産緑地制度を考えていかなければならないと思っています。これから30年間となると計画が立たないという農家もやはりいると思いますが、10年であればどう農地を維持するかを考えることができます。ここが大事なところです。10年間であれば次世代の意向もふまえて農地をどう残しておくべきかを考えることができます。

10年後を考える中で、子どもが「すぐには就農できないけれど、実は農業をやりたかったんだ」という場合にも農地を残しておくことができます。農地を次世代に繋いであげることができます。

高まる住民の期待

--生産緑地が持つ地域づくりにとっての意義や役割をどうお感じになっていますか。

いちばん感じたのが東日本大震災のときです。あのときはちょうど学校の下校時間でした。ものすごく揺れてハウスを持っている農家のところに住民がかなり避難しました。農地というのは野菜を生産するだけなく、災害のときの避難場所にもなることを実感しました。それから子供たちのための食農教育などの場ともなります。まさに多面的機能があると思います。

ここを大事にしていかなれば都市農業は生き残れないだろうということです。実際、あの震災を契機に、防災機能としても都市農地は大事だということを行政も住民も考えるように変わったと思います。

しかも災害用の井戸を設置している農家も多く、飲み水は確保できるし、最近では大雪や風雨に強い強化型のハウスも増えてきています。そこも避難場所になります。

都市農業の多面的機能を追求していくことが地域住民のみなさんにも理解してもらえることに繋がります。

JA 相談業務に力を

--指定促進のためにどう取り組むべきでしょうか。

組合員のみなさんにはとにかく早くJAに相談してくださいと言っています。JAは相談業務に力を入れていますし、農地のことだけでなくさまざま相談に応じています。最後に頼りになるのはJAだということを理解してもらう必要があります。
東京では東京都農業会議とも連携し、「特定生産緑地制度を知らなかったという人を一人も出さない」を合言葉に取り組んできました。

農業委員は毎年、農地パトロールをやっています。そのときに農業委員から特定生産緑地について農家組合員に話してもらうようにお願いしてきました。それからJAの担当者も訪問の際には特定生産緑地制度について話してもらっています。こうすれば、そんな制度は知らなかったということにはならないと思います。その結果、申請率が上がってきたのだと思います。

今の若い農業者は柔軟な発想で農業に取り組み、最近はトマトの養液栽培をしている青年部のメンバーが増えています。販売は自分の家の前に自販機を設置したり、WEBを活用したオンライン販売です。東京では若い農家がいろいろな新しい作物を作り出しています。東京農業はもっともっと元気になれると思います。

これから間違いなく農業は必要になってきます。世界で人口が増えて輸入ができなくなるような状態も心配されます。食料の確保は安全保障の根幹ですから、やはり国消国産でいかなければならないと思います。特定生産緑地制度についてもこうした観点から考える必要があると思います。

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