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【クローズアップ:農水省の生乳取引調査】欠陥・酪農改革の精査こそ 的外れな指定団体圧力指摘  農政ジャーナリスト 伊本克宜 2021年8月17日

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改正畜産経営安定法は、関係者から問題点、課題の指摘が相次ぎ国会でも取り上げられた。だが、規制改革推進会議は、酪農家の選択の自由ばかりに目を向ける。農水省はこれを受け、8月末まで生乳取引実態調査を進めている。本末転倒な議論が広がらないか。

緊急時こそ指定団体の出番

8月中旬、コロナ禍での業務用需要低迷、度重なる暴風雨を伴う気象災害での流通寸断が続く中で、熊本・JA菊池管内の酪農家に現場の実態を聞いてみた。すると「生乳廃棄に至らないのは緊急時の指定団体の調整機能のおかげだ」と即答した。

同JA管内は西日本最大級の生乳生産を誇る。目先の利益で指定団体以外に生乳販売を任せていたのでは、万が一の時に対応できず、結局は経営の打撃となって自分にはね返ってきかねない。緊急時こそ指定団体の出番だ。そして今、改めてその機能強化、組織への結集力が求められている。

大半は「系統組織の圧力ない」回答

農水省の調査対象は酪農家1万4000戸、乳業・チーズ工房500件とほぼ全ての範囲、つまりは悉皆調査に近い。畜産局は「改正畜安法施行以降のあくまで現場の実態把握が目的」としているが、結果次第で、またぞろ規制改革加速の議論に結び付きかねない。

既に回答が戻り始めている。大半は「系統組織の圧力ない」と見られる。一方で従来から指定団体制度に疑問を持つ酪農家や指定団体外の関係者からは制度運用面で不満の声も出ている。制度上は複数の出荷先を選択でき「なぜ『いいとこ取り』などと指摘されるのか」などの指摘があるのも事実だ。批判だけが強調され、指定団体の課題を列挙されては本末転倒な議論がひとり歩きしかねない。8月末の回答締め切りを経て、農水省がどういった公表、取りまとめをするのかも重要だ。

「木を見て森を見ない」の愚

「木を見て森を見ない」とはこのことだろう。規制改革の酪農改革フォローアップの一環で、生乳取引調査を進めているが、一部の動きにのみ注目し、制度欠陥を抱える改正畜案法全体に視点が及んでいない。このままでは、かえって国内酪農の持続可能性が弱体化しないか心配だ。

政府の規制改革推進会議農林水産ワーキンググループ(WG)は3月、指定生乳生産者団体による不公正な取引の可能性を指摘。これを踏まえ、6月に閣議決定した規制改革実施計画は、農水省に全国的な生乳取引の実態調査の他、ガイドラインの作成、「いいとこ取り」を防ぐ事例集の見直しなどを求めていた。

底流に「共販率が高すぎる」

規制改革委の一部に根強くあるのが、酪農改革をしたのになぜ指定生乳生産者団体の生乳共販率が9割台と高止まりし、下がらないのかとの指摘だ。

そこで、独占禁止法と絡め指定団体が取引に際し酪農家や乳業者に何らかの圧力をかけているのではないかとの疑念だ。今回の生乳取引実態調査実施の背景となった。

だが、9割台の共販率維持の半世紀に及ぶ歴史こそが、国内酪農振興の根幹だと実態が理解されていない。「自由化し競争を促すことが産業、業界の発展につながる」との既に時代遅れの成長重視の単線思考こそ改めるべき対象なのだ。

改正畜案法施行以降、指定団体以外に出荷を切り替えた酪農家と生乳集荷業者の間で、たびたび取引条件でトラブルが発生している。このため北海道では、ホクレンに生乳委託を再び戻した酪農家も出ている。

篠原末治ホクレン会長は会見でたびたび「生乳共販率の高さはホクレンへの結集の証し」と言及している。出荷先を選ぶのは酪農家の自由だ。しかし、需給が日々変動する牛乳・乳製品は1年を通じた需給安定こそが酪農経営の安定に欠かせない。

14年ぶりナラシ発動の意味

コロナ禍の生乳需給混乱は、2020年度のバター、脱脂粉乳など加工原料乳を対象に14年ぶりに価格差補填を行うナラシが発動されたことからも明らかだ。

ナラシ制度は酪農経営安定へのセーフティーネットと位置づけられている。だが3年平均の基準価格を下回らないと発動されず、機動的に経営安定につながるのか疑問視されてきた。14年ぶりの発動は、コロナ禍で業務需要が減りいかに価格低下が進んだかを裏付ける。そして、こうした生乳需給混乱の中でも生乳廃棄に至らなかったのは、国の支援を受けながら指定団体の臨機応変な広域需給調整や北海道を中心とした乳製品加工対応が功を奏したからに他ならない。

14年ぶりナラシ発動の意味は、指定団体の機能発揮との絡みでとらえるべきだ。

核心は「需給と供給安定」

改正畜安法の課題は、流通自由化の促進が果たして需給安定と酪農家経営の向上につながるのかと言う点だ。Jミルク会長を兼ねる川村和夫明治HD社長は「需給と供給の安定に、指定団体は最も重要で欠かせないパートナー」と強調する。

法令遵守が大前提で不当な圧力はあってはならない。その上で、今回の実態調査が改正畜安法の持つ制度欠陥を洗い出し、改善するためにつなげる必要がある。

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