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外国人材「育成就労制度」で変わる農業現場 正社員登用制度も検討 茨城県つくば市「ふしちゃんファーム」2026年1月21日

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政府は2027年4月1日から、外国人材の「技能実習制度」に代わり、新たに「育成就労制度」を施行する。技能実習制度が「技術移転による国際貢献」を目的にしているのに対して、育成就労制度は、「特定技能1号水準の技能を有する人材の育成並びに人材確保」を掲げる。高齢化や担い手不足に直面する農業現場では約6万人の外国人が働き、すでに不可欠な労働力となっているが、介護や外食など他産業と比べると競争力が弱く、新制度施行に向けた対応も急がれている。そこで、茨城県つくば市で多くの技能実習生や特定技能者を雇用する農業法人、「ふしちゃんファーム」(伏田直弘代表取締役)の取り組みを取材した。

伏田直弘ふしちゃんファーム代表伏田直弘ふしちゃんファーム代表

外国人労働者は24人に

有機栽培で葉物野菜やイチゴ、米を生産する「ふしちゃんファーム」は、インドネシアの技能実習生5人と特定技能者14人の合計19人を雇用し、3月にはさらに5人が加わる。日本人の社員は7人、パート27人(2025年4月時点)。出荷や納品、配送などの業務だけでなく、「現場のリーダーとしてワーカーを指揮し、作業も教えている。農場長もできる」という。現場の戦力を向上するため、勤続や運転免許などの資格に応じた昇給、そして正社員登用制度の導入も検討している。これらは、「育成就労制度への対応ではなく、適正に評価して適正に待遇する」取り組みと強調する。

伏田氏はもともと就農を目指していた。最初の就職先である大手飲食業の子会社で有機栽培を行う農業法人の経験から、「農業は資金が必要。資金調達の方法を学ぶ」必要性を感じ、政策金融公庫に入り、退職後に新規就農した。農業法人での経験がつくば市の認定就農者の要件を満たし、支援も受けている。しかし、当初は試行錯誤の連続。農研機構の援助を求め、「有機野菜を年間安定供給するための病害虫防除の仕組み」を構築した。

生産品目はコマツナやミズナからスタートし、レタス、ホウレンソウの「4品目による周年栽培体制を構築」。5年前からイチゴ、2024年からは米の栽培も始めた。「みどりの食料システム戦略」も追い風となり、2025年の売り上げは約2億円、26年は3億円程度に伸びる見通しだ。イチゴは米国のオーガニック認証を取得し、輸出もスタートする。

規模拡大で育成急ぐ

ふしちゃんファームのスタッフと伏田氏(右)ふしちゃんファームのスタッフと伏田氏(右)

最初に外国人を雇用したのは2021年で、コロナの影響で1年遅れた。設立当初はパート労働者で作業を行っていたが、「賃金上昇で労働生産性が悪化。パート人材の確保が難しくなり、人手不足で安定的な労働力確保が課題」になり、外国人材に注目した。初年度2人、次年度3人を採用し、派遣の特定技能者を直接雇用に切り替えるなど、3年目から一気に増えた。出身国はすべてインドネシア。まじめで温厚、しかも歴史的な背景や日本文化の影響もあって非常に親日的。農家出身も多く、同じ出身国だけにコミュニケーションも円滑だ。

同社の規模拡大も背景にある。つくば市の本社に加え、同県の常陸太田市にも農場を開設。つくば市では第二農場の土地も確保し、今年から生産を始める。今後は、静岡県や福島県にも農場を開設する計画だ。農場では、「日本人、外国人を問わず、全体を運営できる人材を3人、ワーカーとして外国人実習生とパート労働者を7、8人ずつを想定」しており、人材の雇用拡大や育成のため、労働条件や生活環境の整備を急いでいる。

同社の労働条件は高く、「働きやすい。うちで働いたら他では働けないのでは」と言う。労働時間だけでなく、日曜は休みで「希望すれば週休2日でもいいが、みんな週休は1日でいいと言う」。労働環境もハウス栽培なら降雨や暑さ・寒さの影響も少ない。法人でアパートも借りて一人一部屋を確保し、Wi-Fiはもちろん、希望があった大型冷凍庫も揃えた。個人でアパートを借り、自動車で通勤する人もいる。担当の世話係も置いて、病気のときの通院や市役所での各種手続きもサポートしている。

中山間地の小面積・高収益モデル

イチゴの出荷作業にあたる技能実習・特定技能のスタッフイチゴの出荷作業にあたる技能実習・特定技能のスタッフ

同社の経営戦略も外国人材の活用には有利だ。「居酒屋やコンビニと同じで、農場モデルをコピーする。葉物2品種とイチゴを1セットとして標準化し、どこでも同じ品質で生産できる体制」を目指している。農地の規模拡大とも一線を画し、「中山間地域で小面積・高収益モデル」を進めている。10アールあたりイチゴ2000万円、葉物野菜1000万円程度を確保し、モデルに設定した「1農場あたり売り上げ1億5000万円規模」であれば、「1人のリーダーが歩いて見回り、管理や運営ができる」。

伏田氏は今後の経営に向け、「強い日本の農業を取り戻し、世界を獲る」というミッションを掲げた。「有機農業は江戸時代の循環型農業への回帰で、それを現代のテクノロジーで再実装する」「条件不利地域での成功なくして、日本農業の再興はない。小面積・高収益モデルを確立したい」と考えている。こうした取り組みを、今後は「1県1ふしちゃん運動」として全国展開を目指し、AIやロボティクスの活用により、「売り上げ10億円規模が本当のスタートライン」と意欲を見せた。

伏田直弘ふしちゃんファーム代表
帰国時に後悔しないような雇い方を

技能実習生などには、「自分の人生を変えるためのプラチナチケットを手に入れた。人生を変えるために時間とお金を使いなさい」と言っています。方法を教えてあげれば、積極的に勉強する人もいます。チャンスは与え、やるかやらないかは自分次第。また、日本の文化や生活を学んでもらう方法も考えてます。例えば、消防団に入って地域との関わりを持ってもらう。町内会が成り立たない、若い者がいない地域が少しでも明るくなれば、お手伝いする役割も果たせます。彼らはみな、人生を変えたい、家族のためにと思って来日します。口を揃えて言うのが、「特定技能2号になって家族を帯同して働きたい。子供を産んで家庭を築きたい」です。帰国時に後悔しないような雇い方をしなければなりません。

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