林農相が職員に年頭訓辞2013年1月8日
林芳正農相は1月8日午前、農林水産省本省で年頭訓辞を行った。訓辞の概要は以下のとおり。
平成25年は葵(みずのと)巳(み)という年。十干十二支、60通りの組み合わせの真ん中の30番、再スタートの起点といっていいと思う。
「みずのと」とはどこにでも降る雨を意味するといい、非常に柔軟性があってどんな環境でも順応できるということでこれを大切にしていきたい。
「み」は物事の始まりを意味するという。政権交代を実現した本年をまさに未来へのさらなる繁栄への一年にしていきたい。
◇ ◇
農林水産業は国の基と言われている。食料生産のみならず国土保全や集落機能の維持といった多面的な役割を果たしているが、一方、世界的な食料需給のひっ迫のなかで国内農業生産の減少、担い手の高齢化といった問題もある。しかし、農林水産業自体は非常に大きなポテンシャルを持っている。しっかりと潜在力が発揮されるように攻めの農林水産業を掲げてがんばっていきたい。
今後も現場重視という姿勢を大切に任務を遂行していきたいと考えている。この姿勢を共有してもらえればありがたい。
◇ ◇
今年の主要課題は補正予算、当初予算編成があるが、しっかりと攻めの農林水産業の展開を図ることが重要だと考えている。削減された予算の復活、戸別所得補償制度の見直しといったことに取り組んでいかなければならない。
現場重視と申し上げたが、生産者は現行制度を前提に次の1年の計画を立てている。まさに現場の混乱を避けるということを第一に心がけながら政権公約をできるものから具体化していきたいと考えている。
復旧・復興が非常に大事だということは言うまでもないことで、被災地は2回めの冬を迎える。安倍総理からは閣僚全員が復興大臣であるという気持ちを持つように、という言葉があった。行政全体が復興を担当しているという気構えで取り組んでいただきたい。
東北地方は食料供給基地であり水産業の大きな拠点。復興担当大臣と連携しながらしっかりと取り組んでいかなければならない。農地とおもな漁港については3年間での復旧・復興に取り組んでいるが、復旧の先の復興をよく見据えた施策を行わなければならない。
原発事故対応についても安全な農林水産物を安定的に供給することを迅速に検査への支援、除染等の課題に取り組まなければならない。
◇ ◇
わが国が直面する危機を突破していくには、内閣一丸となった取り組みに加え、農林水産省はもちろん各府省の公務員に持てる力を存分に発揮してもらう必要があると思っている。行政のプロとしての誇りを胸に、すべては国民のためにと自らの判断で政策の立案にあたっては積極的に提案し、現場にあっては果敢に行動してもらいたい。
情報のセキュリティについても国民からの信頼をきちんと確保して対応していただきたい。
新しい日本に向けた国づくりをスタートするにあたって、日本の現状に対する国民の強い危機感を常に共有し、組織の総力を挙げて諸課題に取り組まなければならないと思っている。
(関連記事)
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