グローバル・フードバリューチェーン戦略策定2014年6月9日
農林水産省は、農業生産から製造・加工、流通までのフードバリューチェーンを海外展開する戦略を策定し、6月6日に発表した。
◆産地のこだわり届ける
「フードバリューチェーン」の構築は、農林水産物の生産から食品製造・加工、流通、消費までをつなぐ付加価値の連鎖をつくること。農水省は「産地のこだわりを消費者につなげていくこと」と説明する。
このバリューチェーンを海外展開することで、日本の食産業が海外展開し、日本の食の輸出環境の整備などを実現することで、生産者にもより大きな付加価値をもたらすようにしていくことが狙いだ。
そのため農水省は農業・食品関連産業や関係省庁、学識者から構成する検討会で4回にわたって官民連携による戦略づくりを検討してきた。
バリューチェーン展開の基本イメージは▽日本の食産業が海外に進出、▽現地でコールドチェーン等のインフラ整備、▽マーケットニーズや制度など情報収集する、▽マーケットイン型の輸出実現で農産物輸出の増加につなげる、というものだ。 重点対象地域はアセアン、中国、インド、中東、アフリカ、中南米、ロシア・中央アジア。地域別に戦略を構築するが、基本は2国間政策対話と官民協議会を発足させて推進することや、経済協力(ODA)を戦略的活用して現地のインフラ整備や技術開発、さらには人材の育成にも取り組み、日本発の「食」の浸透を図る。
◆途上国の発展支援も
たとえば、ベトナムとは今年3月に農業協力対話を進めることに合意し、フードバリューチェーン構築に官民で連携していくことを確認しているが、6月末に具体化に向けた初会合を行う。
一方、アフリカに対しては自給自足型の農業から市場志向型農業への転換をODAを活用しながら支援するなど、経済成長と農村の所得向上を実現するという位置づけで連携する。
また、国・地域ではなくイスラム圏で求められるハラール食品についても、マレーシアのクアラルンプールとUAE(アラブ首長国連邦)のドバイをハブ(拠点)として日本産のハラール食品・食材の輸出促進も狙う。ハラール食品の市場規模は約65兆円だという。
◆目標は倍増の5兆円
日本市場を除く世界の食市場の規模は09年の340兆円から20年には680兆円と倍増すると予想されている(ATカーニー社推計)。農林水産省はこの戦略によって、10年度約2.5兆円の食産業の海外売上げ高を20年には約5兆円と倍増する目標を立てている。
(関連記事)
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