【TPP】国益守る決議実現を 自民議連2014年9月17日
自民党の議連「TPP交渉における国益を守り抜く会」は9月12日に会合を開きTPP政府対策本部、外務省などから交渉状況などを聞き、改めて国益を確保するため国会決議の実現を求めていくことを確認した。
◆交渉は、ほぼ前進なし
最近の交渉状況のうち9月9、10日に東京で行われた農産物の市場アクセスをテーマにした日米協議について、TPP政府対策本部の渋谷審議官は「極めて限られた前進」と、ほとんど前進がなかったと説明した。また、一部にあった参加国一律に関税削減するなどの提案が出されているとの報道について、これを否定し「各国、それぞれ関心事項が違う。一律に話をしていることはない」と強調した。関税については現時点でも「いまだに100%撤廃を求めている中南米の国もある」と話し、農産物の市場アクセスには依然強硬姿勢の参加国があることを示唆した。
今後の首席交渉官会合や閣僚会合などの日程は未定だという。
◆「TPP、漂流させない」森山氏
一方、TPP交渉と並行して行う米国との自動車分野の協議について外務省は「米側は自動車分野に引き続き強い関心があり、交渉の山場に差しかかり厳しいやりとりをしている」と報告した。ただ合意した分野はまだないという。
会合では、オバマ大統領は早期合意をめざしているが、米国政府が議会からTPA(大統領貿易促進権限)を取得できていないなかで交渉が妥結できるのかといった疑問の声が出され、早期妥結を求めず慎重に交渉すべきとの指摘があった。
同会の森山裕会長は「国益を守るとは、決議を守ること」と強調した。 会合後、TPAが取得できていない米国との交渉について森山会長は「TPAをとれていない段階でどの程度まで話が進められるのか、危惧している」と話し、「中間選挙もあるから、TPAがどうなっていくかを少し見極めをしなくてはいけない」と話した。
そのうえで「われわれは決議をしっかり守って、選挙公約をしっかり守って成就させることが大事。TPPを漂流させることがあってはいけない。ただ、漂流させないために約束も守れない、決議を守れないということではもっとひどい話。そこのところをいつも確認をしながら進めていくことが大事ではないか」と強調した。
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